地域によってお盆のお供え物は様々ですが、お盆にお餅をお供えする風習があるのをご存じでしょうか?
お餅をお供えするといっても各地域によってお餅の種類やお供え方法はいろいろあるんですよ。
今回はそんな変わった風習についてまとめてみました。
Contents
お盆に餅をお供えすることについて
お盆にお餅をお供えすることについては色々な意味や違いがありますが、宗派によって決められている場合もあるようです。
真言宗や曹洞宗・天台宗などの風習では満中陰の法要に、「傘餅」をお供えすることがあります。
傘餅は、一般的には大きめの平べったい丸いお餅と小さいお餅49個を用意してお皿に盛り飾ります。
お饅頭をお供えする場合もあるようです。
なぜ傘餅をお供えするようになったのかには諸説あり、
- お墓を建てるという風習がなかった頃、骨を土に埋めた上に毎日1個ずつ石を置いていき、7日で7個になるのを一括りとしそれを7回続けて、最後の49日目に大きな石を傘のように上に乗せて往生を願った。それをお餅で表したのが傘餅という説が1つあります。
- 死者が地獄などの世界に行ったときに手足など身体のあちこちに釘を打ち込まれるので、この四十九日餅を作って地獄の冥衆(鬼類)に捧げることにより、釘が餅に当たり死者が苦痛を受けずにすむのでお供えするようになったという説もあります。
他にもいろいろな説があるといわれています。
このように宗派や地域の習わしなどでお餅をお供えするようになったようです。
ではここからはどんなお餅をお供えするのか、どのようにお供えするのかをご紹介いたします。
どんなお餅をお供えするの?その種類と意味
地域によってお餅の種類や意味は異なるようです。
1つずつ解説していきます。
迎え団子
迎え団子とは、あの世から現世に帰ってきたご先祖様の霊に召し上がっていただくためのもので、道中の疲れを癒せるようにという願いを込めてお供えするお団子です。
あんこがついたお餅や、タレがついたお餅を用意するそうです。
小さな大きさ(一口サイズ)に形を整え、仏壇にお供えします。
お供え団子・お供え餅
お盆の期間中にお供えし、ご先祖様の霊に食べていただくおもてなしのためのお団子のことを指します。
地域によってその呼び方は異なり、おちつき団子・お供え団子・お供え餅など様々な言い方があります。
京都ではお盆にお供えする白いお餅のことを「おけそく」などと呼ぶこともあるようです。
そのほかのお供え団子の代表的なものに「おはぎ」があります。
お供え団子という名前で販売されているのは、白いシンプルなお団子がほとんどです。
ピラミッドのように積み上げられたお餅をお供えすることがあります。
半径4~5センチほどの白色の丸いお団子を積み重ねて形を作ります。
小さすぎると見栄えが悪くなり、大きすぎてもお団子が潰れてしまいますのでほどよい大きさで全て同じ大きさで作るのが上手に積み重ねられるポイントになります。
10個で3段、または20個を4段に積み上げてピラミッド型のお供え団子を作ります。
半紙をひいた高坏などに乗せ、お供えしましょう。
おはぎは適度な大きさに整え、お皿などに持って仏壇に供えるようにしましょう。
安倍川もち
この地域だけといわれていますが、山梨の方でのお盆のお供え物の定番として安倍川もちをお供えするようです。
安倍川もちといっても、一般的になじみのあるきなこだけの安倍川もちとは少し違い、お餅にきなこ・黒蜜をかけたものを安倍川もちとしてお供えするようです。
なぜこのようなお餅をお供えするようになったのかとゆうと、お餅を美味しくお供えしたいという気持ちからこのような形でお供えするようになったと言われているようです。
傘餅
先ほども少し説明しました傘餅は地域や宗派、お寺にもよって異なりますが、一般的には四十九日の忌明け法要で使われる代表的なお餅になります。
引用:https://www.wagashi-kouseido.com/shopdetail/016001…
傘餅の積み方は、まず小さな餅を7個丸く並べます。
その上にまた同じように餅を7個並べていき、合計で7段積み上げます。
最後に大きな餅を上に、傘のように乗せて完成になります。
傘餅は餅を重ねていくことから「重ね餅」とも呼ばれています。
法要が終われば、お寺さんが切り分けてくださいます。
切り分けるのには包丁とまな板を用意します。肉や魚を切ったことのないまな板や包丁を用意しておくべきとされています。
新しい包丁とまな板を用意しておけば心配ないですね。
切り分けた餅は、お盆や台の上に人型になるようにお寺さんが並べてくださるようです。
(※切り方は宗教や地域により異なるようですが、故人が旅立つ時の笠をかぶり、杖をついて珠々を持った姿になるように切り分けられるようです。)
切り分けたお餅の食べ方は宗派や地域によって変わりますが、満中陰の法要が終われば親戚のみなさんで分け合って持ち帰ることが多いみたいです。
自分の体調が悪い部分を選んで食べると、治りが早くなるといわれています。
お団子・お餅をお供えする時期は?
各お餅・お団子にもお供えする時期が決められています。
- 迎え団子 8月13日
- お供え団子 8月14~15日
- 送り団子 8月16日
お盆の初日が迎え団子、中2日がお供え団子、最終日が送り団子の順で覚えておくと間違えないかと思います。
※各地域によってはお盆の詳細な時期が異なる場合がありますので、目安として覚えておいて損はないかと思います。
浄土真宗でのお餅の種類・お供え方法
一般的に多いとされている浄土真宗でも法事、法要でのお餅のお供えをする場合があります。
では浄土真宗でのお餅のお供え方法についても簡単に説明していきます。
お餅の種類
浄土真宗では基本的に法事、法要での自宅のお仏壇へのお供えには「丸餅」が使用されます。
普通にスーパーで販売されている丸餅でも大丈夫ですが、中にあんこなどが入っている物ではなく、純粋なお餅だけの丸餅をお供えするようにしましょう。
基本的には「白」の丸餅をお供えしますが、異なる場合もあります。
それは新しくお仏壇を購入した場合です。
その場合、「入仏法要」とされ、お供えするお餅は「紅白」とされているようです。
重ね方は紅色のお餅が「上」、白色のお餅が「下」になるように重ねてお供えします。
もし紅白の丸餅が用意できなかった場合は、白の丸餅でも大丈夫だそうです。
お餅をのせる道具
浄土真宗には「供笥(くげ)」と呼ばれる専用の道具があるようです。
引用:https://matome.naver.jp/odai/2144560973929588801/2…
左右1つずつの計2つをお供え用に用意します。
供笥には本願寺派と大谷派で違いがあるので注意しましょう。
供笥が用意できない場合は、代用として高坏(たかつき)を使用してもいいそうです。
お餅の数・盛り方
浄土真宗では不吉な数字などはあまり気にしないようで、お餅の個数も供笥や高坏などにこんもり盛るようにすればいいそうです。
大きめのお餅なら2つ、小さいお餅なら5~7個ほど盛れば大丈夫です。
半紙をひいてからお餅をのせましょう。
このようなやり方が浄土真宗でのお餅のお供え方法になります。
お盆に餅つきをするの!?
お餅をお供えするといってもわざわざ臼と杵でついたお餅をお供えするのでしょうか?
調べたところ、地域によっては臼と杵でついたお餅を丸めてお供えするところもあるようですが、多くは近くの和菓子屋さんなどで注文する場合が多いようです。
今ではネット通販などでもお盆用のお餅を販売しているところも多いので、わざわざついたお餅を用意しなくてもいいようになったようです。
まとめ
今回はお盆でのお餅をお供えする風習についてまとめてみました。
ご自身の地域でもしこのような風習があればやり方を知っておくと役に立つかと思います!