お盆には、提灯を飾ります。
しかし、なぜ飾るのか、どうやって飾るのか、よく分からないことが多いですよね。
お盆の提灯の飾り方など、盆提灯について紹介していきます。
Contents
お盆に提灯はなぜ飾る?
お盆には、提灯を飾ります。
基本一対で飾ります。
理由は2つあります。
1つは、先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印の役目があります。
もう1つは、故人の冥福を祈り、感謝の気持ち込めた供養を表します。
「初盆(にいぼん)・初盆(はつぼん)」の提灯は、盆提灯の他に「絵柄の入っていない白提灯」を1つ飾ると決まっていて、家族が用意します。
白提灯は一度きりしか使いませんので、お盆が終わったらお寺で供養してもらうか、送り火で燃やします。
盆提灯は、「絵柄の入った盆提灯」でお盆に毎年飾ります。
親戚や故人と親しかった方が、盆提灯を贈るということはよくありましたが、最近は飾るスペースにも限りがあり、家族が用意するのが普通になっています。
そのため「提灯代」として現金を贈ることも増えています。
しかし、昔ながらの「盆提灯が多いほど、故人が慕われていたことを表す地域」もありますので、地域の風習に従いましょう。
お盆に提灯を飾るようになったのはいつから?
お盆に提灯を飾る風習が一般的になったのは、江戸時代以降です。
「高灯篭(たかとうろう)」に火を灯して先祖の供養をするのは、鎌倉時代からされていました。
しかし、「高灯篭(とうろう)」はもちろん、「提灯」も大変高価なものであったため、一部に限られていたのです。
江戸時代になり、ろうそくの大量生産が可能になったことで、「迎え火」「送り火」の風習に代わり「提灯」を飾る風習が一般化していきました。
もちろん地方によっては、「迎え火」「送り火」をたく風習は残っています。
「提灯」も「迎え火」「送り火」も先祖の霊を供養する大切な風習なのです。
お盆提灯の飾り方
「絵柄の入っていない白提灯」は、「新盆・初盆」で使うもので、こちらは1つが基本です。
「目印」の役割が大きく、玄関や軒先に飾るのが普通でしたが、住居の在り方が変化し、窓際や仏壇の前に飾る家が増えてきました。
これは必ず家族が用意し、飾ります。
お盆が終わったらお寺で供養してもらうか、送り火で燃やします。
「盆提灯」は、一対が基本です。
精霊棚(しょうりょうだな)や仏壇の前に飾ります。
「新盆・初盆」でも「白提灯」とは別に用意します。
昔は、親戚や故人と親しかった人から盆提灯いただくことが多かったですが、今は家族が用意するのが一般的です。
「盆提灯」は、毎年飾るものですので、終わったあとは来年のため綺麗にしまいましょう。
- 1つ1つ部品を分解し、ほこりを払います。
- 重い部品からしまいます。
- 最後に「火袋」を入れて、「防虫剤」をいれてからふたをしめます。
- また、次に使う場合は「火袋」が固くなっている可能性もあるので、ゆっくり開いていきましょう。
一対が基本と言いましたが、これも住居スペースの関係で、一対でなくてはいけないということはなくなりました。
1つの「盆提灯」を飾るだけでも大丈夫です。
「盆提灯」の種類も豊富になりましたので、家に合う「盆提灯」を選び飾りましょう。
お盆提灯の飾る時期
まず、お盆の時期が地域ごとに違うことを知っていますか。
- 7月13日から16日の地域
- 8月13日から16日の地域
- 毎年、お盆の時期が違う地域
7月13日からの地域は、旧暦のお盆の日を新暦(太陽暦)でもそのまま使っている地域です。
8月13日からの地域は、旧暦のお盆を新暦にした時にだいたい8月中頃になるため、この日をお盆にしています。
また、7月は農作業が忙しいため「月遅れ」という意味でこの時期になっている地域もあります。
毎年お盆の時期が違う地域は、旧暦のお盆の日を毎年新暦で計算してお盆の日を決めています。
今年(2019年)は8月13日から8月15日、来年は8月31日から9月2日になっています。
このようにお盆の時期が違うので、「盆提灯」を飾る時期も違います。
しかし、考え方は同じですので必ずお盆が始めるまでには、飾りつけを完了しましょう。
盆がある月の始めに飾るのがいいでしょう。
具体的には、7月13日の地域でしたら7月に入ってから、8月13日の地域でしたら8月に入ってから飾りましょう。
お盆提灯の種類
代表的なお盆の提灯を紹介します。
盆提灯は宗派により違いはありませんが、地域によって違うことが多いです。
地域の仏具店やデパートなどで話を聞いてから、購入すると間違いはありません。
「白提灯」
「新盆・初盆」で使われる提灯です。
引用https://item.rakuten.co.jp/0250ya/h258-ymt-0371/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868
大内行灯(おおうちあんどん)
床置き用の盆提灯です。
現在、最も広く使われている盆提灯で、3本足の上に火袋があり、上部に雲手を付けたものをいいます。
引用 https://www.butsudanya.co.jp/chochin2018/shop_chochin_cho1124.html
御所提灯(ごしょちょうちん)
壺型の吊り提灯です。
引用 https://www.butsudanya.co.jp/chochin2018/shop_chochin_cho3255.html
盆提灯の選び方
盆提灯は、「床置き用」と「吊り提灯」と大きく分けると2種類です。
先にも言いましたが、宗教での違いはありませんが、地方の差はとても大きいです。
地方にあった「盆提灯」を選ぶのが一番無難です。
全国的には「床置き用」が人気があります。
最近は減りましたが、「盆提灯」を送りたいという人もいるでしょう。
その時に注意するのが、お値段です。
高すぎる提灯は、遺族の方に気を使わせてしまいます。
ご遺族が用意なさる「盆提灯」と同じくらいの値段がいいでしょう。
そして、お贈りするのは盆の月初めから飾ることを考えると、それまでには届くようにお贈りしましょう。
「盆提灯」を贈りたい気持ちがあっても、選ぶことが大変難しくなってきました。
そのため最近は、「御提灯料」としてお贈りすることが一般的になっています。
表書きは「新盆提灯料」や「御提灯料」が多いです。
「御提灯料」はお返しが不要ですので、あまり金額が高すぎると気を使わせることになります。
御提灯料の相場は、地方により違いますが、近しい親戚で1万~2万円、知人で5000円程度と言われています。
お盆提灯の点灯
だいたい夕方から点灯するのが基本です。
では、寝ている時間はどうしたらいいのでしょうか。
これは、消してください。
今は電灯式の提灯がほとんどのため、寝ている時間つけっぱなしでも大丈夫でしょう。
しかし、昔はろうそくの火をずっとつけっぱなしにはできませんでした。
昔から、寝ている間は消していたのです。
ですので、電灯式だから大丈夫でしょうが、やはり一晩中つけると熱くなり危険もあります。
寝るときは、消して寝ましょう。
また、昼間もずっとつけっぱなしは危ないです。
飾っている部屋に人がいる時だけつけるなど、つけっぱなしにしないようにしましょう。
まとめ
「盆提灯」の種類も増え、個数も制限はありません。
毎年飾るものですので、家に合った「盆提灯」を選び、故人の冥福を祈り、感謝の気持ち込めた供養をしましょう。