「専業主婦は暇でいいねえ。」という言葉、よく聞きませんか。
でも、その一言を専業主婦は辛いと思ってしまうのです。
なぜ、辛いと思ってしまうのでしょうか。
他に辛いと思っていることは、なんでしょうか。
専業主婦の悩みを考えていきましょう。
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専業主婦は暇だと思われている
なぜ「暇だと思われている」と辛いのでしょうか。
暇ではないから
子育てをした専業主婦なら分かると思うのですが、就学前の子供がいて「自分の時間」を持てる人は少ないでしょう。
特に、幼稚園に入る前は、ずっと母子が一心同体です。
その間に、家事もしなくてはいけません。
幼稚園入園前は、兼業主婦で保育園に預けている主婦の方が「自分の時間」を持てます。
そして、幼稚園に入ると数時間の「自分の時間」を持てるようになりますが、これも「子供が病気」「園の事情」などですぐ無くなってしまいます。
ですので、「就学前の子供がいる専業主婦」が暇だと思っている人は、よほど世間を知らない人と認識されてしまいます。
「子どもがいないから、子育てに協力してないから、分からないんだよね」と言われないようにしてください。
続いて、親の介護は、子どもの育児より大変なケースが多いです。
子どもはこれからの成長があり、未来が明るいです。
しかし、親の介護は亡くなるまで続きます。
兄弟・姉妹がいれば分担できることも、一人っ子だと1人で抱え込まないといけません。
色々なサービスを受けるのも、たくさんの手続きがいります。
このような「親の介護が必要な専業主婦」に暇なんて言葉はありません。
暇じゃないのに、暇だと思われたら心外ですよね。
働きたいけれど、働けない事情があるから
自分に働く気持ちがあっても、それを許さない家庭事情も存在します。
特に夫の理解がない場合は、無理に働いても家庭が崩壊してしまいます。
また、持病があり働くことが制限されていると、就職も難しいでしょう。
このような専業主婦は、確かに時間はあるかもしれませんが、本当に暇だからラクなのでしょうか。
違いますよね。
やりたいことができないことは、本当に辛いことです。
きっと「専業主婦は暇でいいねえ。」の言葉が一番辛いケースかもしれません。
イヤな思いをするから
専業主婦は、時間の融通がきくと思われ、人に合わせなければならないことが多くなります。
合わせられないわけではないっていうのが、辛いところです。
確かに自分の都合を動かす方がいいと理解していますが、そのしわ寄せはあります。
毎回毎回だと、やはり「なぜ自分ばかり」となってしまいます。
また、子どもの幼稚園・小学校・中学校の役員の仕事も、専業主婦だからと押し付けられがちです。
でも、仕事をもっている主婦は、仕事をすれば給料がもらえますが、専業主婦だからと押し付けられた役員の仕事は無償です。
そこに、なんだか割り切れない気持ちが発生してしまうのです。
評価してもらえない
普通仕事をすれば、「給料」という形で評価してもらえます。
「給料」だけでなく、お客様に「ありがとう」と言ってもらえる時もあります。
では、専業主婦はどうでしょうか。
もちろん「給料」は発生しません。
家族も当たり前ととらえ、「ありがとう」の一言もない場合が多いでしょう。
また少し手を抜くと、そのときだけは「あれ?掃除してないの?」なんて言われてしまうと、モチベーションは下がってばかりです。
- 家族の誰よりも早く起きて、朝食の準備をしお弁当を作り、家族が出掛けてからは掃除・洗濯。
- 子どもの役員の仕事や、町内会の役員の仕事、買い物に出掛け、昼は適当。
- 子どもが帰ってきたらおやつを食べさせ、一緒に遊び、夕ご飯の準備。
- 片づけをして、お風呂の準備をして、子どもをお風呂に入れて寝かしつけ。
- 明日の朝食やお弁当の用意をして、就寝。
もちろん、これが毎日の生活ではありませんが、これだけのことをしても「無償」です。
専業主婦なら「当たり前」ですんでしまうのです。
毎日「ありがとう」と言ってもらわなくてもいいんです。
でも、誰から何も言われない仕事は、むなしくなっていきます。
「家族のために頑張りたい」気持ちがないわけではないですが、やはり自分のやっていることは認められたいものです。
思い通りにはいかない
妊娠すると「パパママ教室」に行くことがあります。
赤ちゃんのことや、赤ちゃんのお世話の仕方を勉強します。
とある「パパママ教室」のできごとをちょっと聞いてください。
この日はパパになる人が、ママの大変さを理解する勉強会でした。
大きなお腹の模型を体につけ、体の動かしにくさ、階段で足元が見えない恐怖を味わいました。
その後、あるテストをするのです。
簡単な算数の計算のテストでした。
パパたちは意味が分からないながらも、そのテストを始めます。
ところが、テスト開始数分でいきなり先生が、大きなお盆を落とします。
その音に驚き、手は止まります。
「すみません。」と先生は言い、その後もテストをするように促します。
ところが次は、ペンを持っている腕に先生の体が当たったのです。
「すみません。」とまた先生は言い、テストを促します。
ちょっと不快に感じましたが、パパたちはまたテストに戻ります。
しかし、次はスピーカーから大きな赤ちゃんの泣き声が鳴り響きました。
その後も、何度も何かしらのアクシデントがあり、10分のテストを集中してできたパパはいませんでした。
パパたちに感想を聞くと、「どうしてこんなテストをしたのか意味が分からない」という回答が多数ありました。
そこで先生は言います。
「これが、赤ちゃんとの生活なのです。」と。
赤ちゃんができると、自分の思い通りにはいかないし、集中して何かをすることがとても困難なのです。
そのママの大変さを少しの時間ですが、体感するためのテストだったのです。
このように赤ちゃんの間は、とにかく大変な子育てです。
でも、これは赤ちゃんに限ったことではないでしょう。
子どもは成長してできることが増えたら、また増えたなりの大変さがあります。
ママが1人でやった方が早いことでも、小さいうちはやりたがるのです。
子どもと接する時間が多いほど、思い通りにいかないことへのストレスは強くなります。
またパパがその大変さを理解していない場合は、パパでさえ思い通りには動きません。
「専業主婦」でなければ、もしかたらパパももっと理解してくれるかもしれません。
そんな「思い通り」にいかないストレスは、理解してもらえない分、とても辛いものになります。
孤独感や閉塞感
専業主婦は、どうしても社会との接点が少なくなります。
家族としかしゃべらない日もあるでしょう。
その家族さえ、しゃべることを拒否することもあります。
- 結婚した当初は、仲良くしゃべっていた夫の口数が減ってしまう。
- 小さい時は「ママ・ママ」とひっきりなしに言っていた我が子が、しゃべらなくなる。
自分が今までやってきたことが、否定された気持ちにもなってしまいます。
また、専業主婦だからという理由で、遊びに行くことも我慢していたため気楽におしゃべりする友達さえいないとなると、孤独感・閉塞感はますます加速していきます。
自分で決めたことだと理解してはいても、やはり辛く感じてしまうのは仕方がないことです。
未来への不安
いついかなることがあるか分からない世の中です。
夫が急に亡くなる可能性や、離婚する可能性もゼロではありません。
だからこそ、自分に稼ぎがない専業主婦の不安は、大きいです。
保険にしっかり入っていても、老後を考えると不安は消えないでしょう。
漠然とした未来への不安は、無くなることがなく辛いものです。
最後に
専業主婦の悩みを5つ紹介しました。
どう思いましたか。
「自分の辛さと比べると、辛いってほどじゃない」と思われた人がいるかもしれません。
しかし、辛さとか悩みは「人と比べる」ものではありません。
比べたところで、意味はないのです。
人にそれぞれ個性があるように、「辛さや悩み」は人によって感じ方は違います。
しかし、自分が辛いことは辛いのです。
「専業主婦」でも「兼業主婦」でも、辛さや悩みが無くなることはないでしょう。
だからこそ、時には家族に協力してもらい、しっかりリフレッシュしましょう。