雨の季節になると大雨や豪雨が降ると色々と心配になります。
大雨とはいったい何なのか、何が豪雨なのか。
大雨の定義と豪雨の定義ついて解説していきます。
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大雨の定義
大雨の定義としては、『災害が発生するおそれのある雨』を大雨といいます。
降雨「何ミリから大雨」という規定はないそうです。
しかし、気象庁により大雨警報・大雨注意報が発令される基準は各都道府県の区市町村によって定められています。
ご自身がお住まいの地域の基準が気になる方は一度気象庁のホームページをみてみるとよいでしょう。
では、大雨が降ると発表される大雨警報・大雨注意報について説明していきます。
大雨警報・大雨注意報について
○大雨注意報
大雨により建物の浸水、崖崩れなどの土砂災害の発生が予測された時に発表される注意報です。
雨が止んでいてもまだ土砂災害などが起こる恐れがある時には、大雨注意報は継続されます。
大雨注意報が発表される時は、区市町村ごとに定められている1時間雨量あるいは3時間雨量と土壌雨量指数(*1)の基準値に達すると予測される時に発表されます。
○大雨警報
大雨により建物の浸水やがけ崩れなどの重大な災害の発生が予測される時に発表される警報です。
大雨警報が発表される時は、雨量が区市町村ごとに定められている1時間雨量あるいは3時間雨量と土壌雨量指数(*1)の基準値に達すると予測される時に発表されます。
大雨警報が発表される基準値は、大雨注意報の基準値よりも高く設定されています。
また土壌雨量指数もともに基準に達すると予測される場合など、大雨警報に警戒すべき災害が付記されます。
雨量が基準値に達すると予測される場合
➔「大雨警報(浸水害)」
1時間雨量または3時間雨量や土壌雨量指数の基準値に達すると予測される場合
➔「大雨警報(土砂災害)」
雨量・土壌雨量指数共に基準値に達すると予測される場合
➔「大雨警報(土砂災害、浸水害)」
重大な災害が起こる恐れが著しく大きいときは「大雨特別警報」が発表されます。
*1 土壌雨量指数
土壌雨量指数とは雨が土壌中を通って流れ出る様子をモデル化し、観測された降雨量や数時間内に予測される降雨量をもとに、5km四方の区画に分けて計算し指数化したものをいいます。
雨水は地表を流れる水と土壌に浸透する水に分かれ土壌中に浸透した水の大部分は土壌中にたまることになります。
土壌中の水分が高いほど土砂災害の発生危険度が高くなります。
○大雨警報・大雨注意報の基準値について
土砂災害を対象とした大雨警報・大雨注意報には先にも説明したとおり土壌雨量指数を用います。
急傾斜地等がなく平坦で、生命や身体に危害を及ぼす土砂災害の発生する危険性が認められない市町村や区域については、土壌雨量指数を設定しない場合があります。
豪雨の定義
豪雨の定義としては、『著しい災害が発生した顕著な大雨現象』とされています。
「○○豪雨」に匹敵するような大雨などの著しい災害が発生し命名された大雨災害の名称や地域的に定着している災害の通称の名称を引用する形で使用されています。
例えば2000年9月に起きた東海豪雨や2017年7月に起きた九州北部豪雨が挙げられます。
気象庁、気象予報にて発表される予報・警報で「豪雨」単独で使用されることはありません。
テレビなどで見る気象予報で、大雨にご注意くださいとは聞きますが、今日は豪雨にご注意くださいとは使用されないという事です。
○集中豪雨(ゲリラ豪雨)
夏になると突然降り出す大雨をゲリラ豪雨と皆さんいいます。
集中豪雨には定義があり、同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数100mmの雨量をもたらす雨の事言います。
○局地的大雨(ゲリラ豪雨)
集中豪雨とにていますがこちらも定義があり、急に強く降り数十分の短時間に狭い範囲に数10mm程度の雨量をもたらす雨の事をいいます。
雨の強さと降り方
豪雨の説明の時に100mmの雨量をもたらす雨や10mm程度の雨量の雨などといいましたが、実際にはどのくらいの雨なのか想像がつきにくいと思います。
皆さん雨が強い時ザーザー降っている雨、バケツをひっくり返したような雨などと表現したりしませんか?
人によって感じ方は違うとは思いますが、気象庁のホームページにいくつか記載がありましたのでどの程度の雨なのか想像できるように雨の強さと降り方についてまとめました。
1時間雨量別雨の強さと降り方
○10mm以上~20mm未満
予報用語:やや強い雨。
イメージ:ザーザーと降る雨。
人への影響:地面からの跳ね返りで足元が汚れる。
屋内(木造):雨の音で話が良く聞こえにくい。
屋外:地面一面に水たまりができる。
○20mm以上~30mm未満
予報用語:強い雨。
イメージ:どしゃ降りの雨。
人への影響:傘をさしていてもぬれる。
屋内(木造):寝ている人の半数くらいが雨に気が付く。
屋外:地面一面に水たまりができる。
車の時:ワイパーを速くしても見えづらい。
○30mm以上~50mm未満
予報用語:激しい雨。
イメージ:バケツをひっくり返したような雨。
人への影響:傘をさしていても濡れる。
屋内(木造):寝ている人の半数くらいが雨に気が付く。。
屋外:道路が川のようになる。
車の時:高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じてブレーキが効かなくなる。
○50mm以上~80mm未満
予報用語:非常に激しい雨。
イメージ:滝のように降る雨(ゴーゴーと降り続く)。
人への影響:傘はまったく役に立たない。
屋内(木造):寝ている人の半数くらいが雨に気が付く。
屋外:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。
車の時:車の運転は危険な状況。
○80mm以上~
予報用語:猛烈な雨。
イメージ:恐怖を感じるような雨。
人への影響:傘はまったく役に立たない。
屋内(木造):寝ている人の半数くらいが雨に気が付く。
屋外:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界がわるくなる。
車の時:車の運転には危険な状況。
少しはイメージがわいたかと思います。
しかし、イメージがついたがどのくらいの量なのかがよくわからない人もいると思いますので、雨量を表す1時間雨量について説明します。
○1時間雨量とは
1時間あたりに降る雨の量をいいます。
例えば50mmの雨について気象庁は「1時間に雨水が50ミリメートルの高さまでたまる雨」と解説しています。
たかだか50mm(5cm)じゃないかと思いますが1平方メートル辺りなので50リットルあります。
1時間で牛乳パック50本ぶんの雨が降ることになります。
1平方キロメートルとは傘をさしている自分自身の周囲ぐらいと思ってください。
50リットルということは、1時間で50kgの重さが傘や建物の屋根にのしかかることになります。
広さが10平方メートルなら500リットル、時間が2時間、3時間と長くなれば倍になり範囲が広くなればなるほど、雨量が増え水も増えていくことになります。
考えてみるとなかなか恐ろしいことです。
大雨についてのまとめ
近年、大雨の頻度が高くなってきていますが大丈夫だろうと外を見に行く人が少なくありません。
相手は自然なので、気象予報やどのくらいの雨の量で自分の地域は注意報・警報が発表されるのか一度気象庁のホームページで確認することをおすすめします。
その事を知ることにより雨量○○mmなどといわれ、大丈夫だろうと自分を過信することも少なからず減ると思います。
非難する準備や場所の確認も必要だと思います。
自分自身や家族を守るために有効な情報や知識を身につけ災害時になるべく慌てないようにしましょう。