【VIVANT】矛盾に隠された真実とは?人物の行動や組織の目的を考察!

ドラマ

ドラマ『VIVANT』はその壮大なストーリーと濃密なキャラクター描写で多くの視聴者を魅了しましたが、物語の中には数々の「矛盾」が散りばめられています。

特に注目すべきは、主人公・乃木や山本、そしてテロ組織テントを率いるノゴーン・ベキらの行動の整合性と、その背景にある意図です。

本記事では、「VIVANT 矛盾」というキーワードを軸に、主要キャラクターの行動や心理、組織の真の目的に迫り、視聴者が感じた違和感の答えを明らかにします。

この記事を読むとわかること

  • 『VIVANT』に登場する矛盾した行動の真意
  • 乃木・ベキ・山本らの複雑な心理と動機
  • テントの二面性と国家建設の可能性

Contents

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VIVANT 矛盾の核心は?登場人物の不可解な行動の理由を解説

乃木が裏切りながらも別班と連携していた理由

『VIVANT』における最大の謎のひとつが、主人公・乃木憂助の矛盾した行動です。

彼はテロ組織「テント」への寝返りを装いながら、実は公安や別班とつながりを持ち続けているような動きを見せました。

この複雑な立場の背景には、乃木自身の「父・ノゴーン・ベキ」との関係性や、「別班の任務」という二重の使命が関わっています。

第8話で見せた「黒須を撃つふり」のシーンでは、銃に弾が一発しか入っていないことを乃木が事前に見抜いていたとされ、彼の行動が計算されていたことが明らかになります。

つまり、乃木の「裏切り」は演技であり、父との再会とテントの目的の把握を両立させるための戦略だったのです。

この二重構造こそが、視聴者に「矛盾」として映った根本的な要因でしょう。

山本が犯人でありながら協力的だった矛盾とは

もう一つの注目すべき矛盾が、山本巧の行動です。

彼は誤送金事件の真犯人であり、さらにテントのモニターとしての役割を持っていましたが、第3話・第4話では乃木に協力する場面が多々見られました。

一見して善意に見えるこの行動ですが、実際には「太田梨歩に罪を着せるため」や「乃木の動向を監視するため」という打算的な理由が裏にあります。

特に太田梨歩を倉庫に監禁した場面は、山本が自分の正体を隠すために先手を打った行動として描かれており、協力とは名ばかりの自己防衛だったのです。

このように、VIVANTではキャラクターが何重にも計算された動きを見せることで、視聴者が抱く「協力的なのに裏切り者?」という矛盾を巧みに演出しています。

山本の矛盾こそ、物語のスパイサスペンス要素を強調する鍵と言えるでしょう。

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テントの二面性に見るVIVANT最大の矛盾

孤児救済とテロ活動という両極の目的

VIVANTに登場するテロ組織「テント」は、その活動内容に大きな矛盾を抱えています。

一方では孤児の保護や児童養護施設の運営といった人道的な支援活動を行いながら、もう一方では爆破テロや暗殺を請け負う民間軍事会社としての顔も持っているのです。

この二面性は視聴者に強い印象を与えるとともに、組織としての本質が何なのかという疑問を生み出しています。

ベキはテロによって生まれた孤児を保護していると語られますが、そもそも孤児が生まれた原因の一端をテント自身が作っているという事実は重い矛盾です。

それでも彼らは「犠牲の上に成り立つ救済」を正当化し、大義のもとに冷酷な行動を取ることで組織の目的を遂行しているようです。

これは功利主義的思想の極みとも言え、視聴者が感情的に受け入れがたい部分でもあります。

土地買収と建国計画に隠された真意

テントが近年行っているもう一つの不可解な活動が、バルカ国内の大規模な土地買収です。

この行動は一見するとテロ活動と関連性が薄く感じられますが、実際には非常に戦略的な意図があることが示唆されています。

テントはバルカ政府の政情不安定化を見越し、将来的な「国の建設」や「避難施設の設置」を視野に入れていたと考えられています。

また、ノゴーン・ベキが「この半年が勝負だ」と発言したように、テントの活動には明確なタイムリミットが設定されており、ロシアや他国との連携によるクーデターの準備も示唆されているのです。

資源の流出を防ぐため、あるいは外交的圧力に対抗するために、テントが戦略的に土地を抑えるという構図は、もはや「テロ組織」の枠にとどまりません。

ベキのビジョンは「軍事・経済・人道」のすべてを包括した、新たな国家の創出とも捉えられ、物語に深い政治的背景を与えています。

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ノゴーン・ベキの「緑の魔術師」としての二重スパイ説

公安出身でありながら日本を敵視する動機

ノゴーン・ベキは、元々は公安外事第一課に所属していた日本人であり、かつて農業使節団としてバルカで活動していたことが判明しています。

しかしその後、彼は死亡したと見なされ、記録からも抹消されました。

それにもかかわらず、生存していた彼はテロ組織「テント」のリーダーとして暗躍し、日本政府に対して敵意を持ち続けています。

その動機には、日本からの見捨てられた過去が深く関係しています。

ベキは過去に身内の裏切りによって公安としての使命を果たせず、さらには命まで狙われた過去があると示唆されています。

この経験から、祖国に対する深い憎しみと、それでも消えない帰属意識という矛盾した感情を抱えるようになったのです。

「スネイプ社」に込められた伏線の意味

物語中で乃木が野崎に告げる「スネイプ社」という会社名が、ハリー・ポッターのキャラクター「スネイプ」を暗示していることに気づいた視聴者も多いでしょう。

スネイプは物語上、表向きは闇の勢力に属しながらも、裏ではダンブルドアと共に善の側に立つ二重スパイとして描かれています。

この設定は、ノゴーン・ベキの立ち位置そのものと重なります。

彼はバルカでテロ組織を指揮する一方で、情報操作や戦略を通じて日本側との交渉や対話の可能性も残しているように感じられます。

さらに、ベキが「緑の魔術師」と呼ばれていることも、「スリザリン=緑=スネイプ」という繋がりを思わせ、物語全体が二重性のテーマで貫かれていることを暗示しているのです。

このように、ベキの行動や言動には明確な伏線が張り巡らされており、彼が単なる敵ではない可能性を示唆しています。

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乃木の裏切り行動に隠された父への愛とアイデンティティ

愛情への渇望と信念の欠如が導いた選択

乃木憂助という人物の行動の多くは、「愛情への渇望」と「アイデンティティの欠如」という2つの要素に深く根ざしています。

彼は幼少期に両親と生き別れになり、人身売買の被害にも遭い、心の拠り所を持たないまま成長してきました。

その結果、自らの存在価値や信念を見出せず、誰かに必要とされたい、認められたいという強烈な欲求を抱え続けていたのです。

その象徴的な場面が、柚木薫とのキスシーンです。

ただのスキンシップにも関わらず、乃木が涙を流して崩れ落ちるほどの反応を見せたのは、「愛されること」に対する渇望があまりにも強かったからにほかなりません。

ベキが父親であると知ったとき、彼に対して本能的に「愛してほしい」と願ってしまうのは、裏切りではなく「つながり」を求めた結果なのです。

柚木との関係性が示す心理的背景

柚木との関係も、乃木の心理的な変化を象徴しています。

乃木は彼女に対して常に誠実であり、戦場でも平時でも一貫して彼女を守ることに全力を注いできました

それは任務上のパートナーとしてではなく、人として初めて得た心のつながりだったからです。

柚木の存在があったからこそ、乃木は「人間らしさ」を失わずにいられたとも言えます。

だからこそ、テントという「父の世界」に足を踏み入れても、完全には染まらず、どこかで線を引いていたのです。

その「線」がもっとも明確に現れたのが、野崎への協力や黒須への偽装射撃といった行動です。

乃木の「裏切り」は、父への愛と国家への忠誠、柚木との絆の中で生まれた複雑な感情の交差点にありました。

彼の選択は、善悪を超えて「人間らしさ」を守るための葛藤の証でもあるのです。

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別班と公安、そしてテントの三者の立場と目的の交錯

野崎の行動に見える葛藤と真意

公安の野崎守は、VIVANTの世界で最も中立的かつ理性的な視点を持つキャラクターとして描かれています。

彼は国家の命令に忠実でありながら、人間としての正義感や道理を大切にして行動してきました。

特に、乃木が別班であることを知った後も排除せず、行動を見守る姿勢には、公安としての枠を超えた信頼が見て取れます。

また、バルカでの作戦時に乃木の発信機の信号を察知し、現地に向かう行動は、彼が常に「真実を見抜こうとする存在」であることを物語っています。

乃木が「鶏群の一鶴。眼光紙背に徹す」と評したのも、野崎のそうした姿勢への敬意だったのでしょう。

野崎は公安でありながらも、最終的にはテントや別班の真の目的を知り、必要であれば共闘も視野に入れる柔軟性を持っています。

別班は正義か闇か?視聴者が抱える疑問に迫る

『VIVANT』を通して浮かび上がる大きなテーマのひとつが、「別班は正義か、それとも闇か?」という問いです。

表向きには存在しない影の組織であり、正規の法の枠を超えて任務を遂行する彼らの存在は、明らかに危うさを孕んでいます。

しかし一方で、日本という国家の安全を守るために犠牲をいとわない姿勢は、多くの視聴者に「必要悪」として受け入れられてもいます。

物語の中盤以降、乃木や黒須、長野専務など、別班メンバーたちの人間的な背景が明かされることで、彼らがただの「殺し屋」ではないことが浮き彫りになります。

これは視聴者の心情に大きな影響を与え、「正義とは何か?」という問いを投げかけてくるのです。

別班、公安、テントの三者は決して単純な敵味方ではなく、それぞれが信じる「正義」を貫いているに過ぎません。

だからこそ、このドラマでは誰が本当の「敵」なのかを簡単に決めることはできず、視聴者自身が考察を重ねて答えを見つける楽しさがあるのです。

「山本の協力」という不可解な行動の真相

自らを守るための情報操作とミスリード戦術

誤送金事件の真犯人でありながら、第3話・第4話で乃木に対して協力的な姿勢を見せた山本巧の行動には、多くの視聴者が違和感を覚えました。

本来であれば、自身の正体が露呈するリスクを回避すべく、乃木の捜査から身を引くのが自然な流れでしょう。

しかし、山本は逆に積極的に協力者として動き、自らの存在をアピールしています。

この矛盾には、彼自身を守るための巧妙な情報操作という意図が隠されていました。

山本は太田梨歩に全ての罪をなすりつけるために動いていたのです。

つまり、乃木の捜査に付き添うことで、自分が「共に真相を追う仲間」であるという印象を与え、疑いの目を逸らそうとしたのです。

太田梨歩を罪に仕立て上げた狡猾な計画

山本は太田梨歩を脅して丸菱商事に入社させた上、誤送金プログラムの実行犯として彼女を利用しました。

そのうえで、乃木の捜査に便乗して「彼女を発見・拘束する役目」を果たすことで、自らの潔白を装うという計画だったのです。

太田が真犯人だという印象を強めるために、彼女を倉庫に監禁するという強硬手段にまで出た山本の行動には、焦りと冷酷さがにじみ出ています。

また、宇佐美・原・水上の3人を呼び出した件も、犯人の疑惑を他者に拡散させる目的があったと見られています。

視聴者にとっては一瞬「味方かも?」と思わせる演出の数々が、最後に裏切りとして判明する構成になっており、VIVANTの脚本の巧妙さを感じさせます。

山本の行動は単なるスパイ活動ではなく、人間の保身本能と冷静な頭脳戦が交錯する典型例でした。

その冷静な判断力は驚異的ですが、同時に人間的な弱さや罪深さを強く感じさせるエピソードでもあります。

VIVANT 矛盾と複雑な人間関係・伏線を総まとめ

登場人物たちの選択に共通する信念と矛盾

『VIVANT』という作品は、各キャラクターの行動や動機に矛盾が内包されていることによって、その魅力が何倍にも膨れ上がっています。

乃木は別班の使命を背負いながら、父・ベキへの思慕に揺れ、ベキは子どもたちを救うと称しながらテロで孤児を生み出す。

山本は正義の味方を装いながら、実は最も身勝手で冷酷な裏切り者だったという構図は、信じるものと裏切りの境界が常に曖昧であることを象徴しています。

その中でも一貫して描かれていたのは、「自分は何者であるか」を問い続ける姿です。

誰もが自分の正義、自分の信じる世界を貫こうとしながらも、時に揺れ、時に裏切る。

その葛藤の連続こそが、VIVANTの深みを支える根幹となっているのです。

今後の展開を予測するための考察ポイント

VIVANTの最終局面に向けて注目すべきなのは、テントが本当に目指している世界が何なのか、という点です。

ただのテロ組織ではなく、国家建設や子どもたちの未来を見据えたビジョンがあるとすれば、それは完全な敵とは言い切れない存在となるでしょう。

また、野崎と乃木、そしてベキの三者の協力関係が成立するかどうかも、物語のカギを握る要素です。

裏切りと信頼、理想と現実のギャップ。

そしてその間に揺れる人間たちの選択が、最終的な結末にどのような影響を及ぼすのか

最後まで目が離せないドラマであることは間違いありません。

この記事のまとめ

  • 乃木の裏切りは父と任務の間での葛藤
  • テントは孤児支援とテロ活動の二面性を持つ
  • ベキの正体には公安時代の過去が関与
  • 山本の協力は自己保身と情報操作のため
  • 登場人物たちは矛盾を抱えながら信念を貫く
  • 野崎は中立の視点で真実に迫る存在
  • 「正義」とは何かを問いかける構成が秀逸