中学生の夏休みの宿題に、『「暑中見舞い」を担任の先生に書く』という学校があります。
書き方に困る中学生も多いでしょう。
もちろん「暑中見舞い」を書くときに、一番大切なのは気持ちです。
しかし、中学生になったのですから「暑中見舞い」の意味やマナーを知り、古くからある風習もしっかり勉強しましょう。
Contents
「暑中見舞い」とは
「暑中見舞い」とは、江戸時代に始まった風習です。
お盆の時期に、お世話になっている人を訪問し、贈り物を差し上げたのが始まりです。
それが定着した後は、遠くて訪問できない時に飛脚便を使い、挨拶のお手紙と贈り物を届けました。
明治に入ると郵便制度が発達し、挨拶のお手紙のみを送る習慣に変わっていきました。
現在はハガキで「暑中見舞い」をお送りするのが、一般的です。
しかし、「暑中見舞い」はハガキのみというわけではありません。
「暑中見舞い」として、贈り物をお送りすることもありますし、封書で書いても構いません。
ここでは、「暑中見舞い」をハガキで出す一般的なマナーを紹介していきます。
「暑中見舞い」と「残暑見舞い」は何が違うの?
「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の違いは、相手に届く時期によって違います。
- 暑中見舞いは、小暑の7月7日頃から立秋の前日8月6日頃までです。
- 残暑見舞いは、立秋の8月7日頃から8月末日までです。
ちなみに「頃」と書いたのは、理由があるんです。
「立秋」などの二十四節気は、太陽の動きで決めるので毎年同じ日ではありません。
2019年の「立秋」は8月8日です。
今年の「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の送る時期は、
- 暑中見舞いは7月7日から8月7日
- 残暑見舞いは8月8日から8月末日まで。
となるのです。
だいたい「立秋」は、8月7日か8日が多いですので、その頃が「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の分かれ目だと覚えておきましょう。
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「暑中見舞い」「残暑見舞い」って何を書けばいいの?
では、送る時期が分かったところで、具体的に何を書くか紹介していきますね。
書く順番もありますので、注意してください。
「暑中お見舞い申し上げます」か「残暑お見舞い申し上げます」を書く
最初に書くのは、「暑中お見舞い申し上げます」か「残暑お見舞い申し上げます」です。
相手に届く時期で、選んでくださいね。
ポイントは、2つです。
- 本文の字より、大き目の字で書く。
- 最後に「句点(。)」は書かない。
相手の体調を問う
次に、「暑い夏に体調を崩していないか」と体調を気遣う言葉を書きます。
具体例としては、
- 「暑い日が続きますが、先生はお元気ですか。」
- 「まだまだ暑いですが、お元気ですか。」
このような文章が中学生らしいと思います。
また、正式な日本語では「クエスチョンマーク(?)」は書きません。
部活等で、夏休みでも先生に毎日会うなら「お元気ですか。」は、ふさわしくないですね。
「毎日暑い中、ご指導いただきありがとうございます。」と、感謝の言葉にしましょう。
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自分のことを書く
その次は、自分の夏休みの様子を書きます。
具体例としては、
- 「僕は部活と塾の毎日ですが、充実した夏休みを過ごしています。」
- 「私は、家族で奈良に旅行に行ってきました。大仏の大きさに驚きました。」
など、夏休みの出来事を先生に伝えましょう。
これも、毎日会っている部活の先生なら、わざわざ書くことがないと頭を悩ませる人もいるでしょう。
その場合は、部活で頑張ってからできるようになったことを書くといいですよ。
- 「先日の全市の大会では、準決勝まで進むことができました。来年は優勝を狙います。」
- 「400メートルの自己ベストを3秒縮めることができました。練習の成果が出て嬉しかったです。」
このような報告は、部活動の先生にとってとても嬉しいものです。
相手の体調を気遣う言葉
最後に体調を気遣う言葉を書きます。
具体例としては、
- 「まだまだ厳しい暑さが続きますが、体調に気をつけてお過ごしください。」
- 「まだ暑いので、先生も体に気をつけて下さい。」
などが、中学生らしいと思います。
大人はよく「ご自愛」という言葉を使います。
「ご自愛」とは、「ご自身の体を大切にしてください」という意味です。
「これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。」となります。
ただし、大人でもよく間違っている人がいます。
「これからも暑さが続きますので、くれぐれもお体をご自愛ください。」
これは、「頭痛が痛い」と同じで、「言葉」が重複してしまっているのです。
「お体をご自愛ください」は、「体」を2回使ってしまうことになります。
使う時は、「お体」を入れず「ご自愛ください」だけを使いましょう。
最後の一言で終わりましょう。
マナーとしては、「相手の体調を気遣う言葉」で終わっても問題ありません。
しかし、最後に一言あるともらった方は嬉しいものです。
具体例としては、
- 「2学期もよろしくお願いします。」
- 「2学期に先生に会えるのが楽しみです。」
- 「これからもご指導、よろしくお願いいたします。」などです。
日付をいれる
具体的な八月三日などとは、書きません。
「令和元年 七月」か「令和元年 八月」と書きましょう。
例文
暑中お見舞い申し上げます
暑い日が続きますが、先生はお元気ですか。
僕は部活と塾の毎日ですが、充実した夏休みを過ごしています。
まだ暑い日が続くので、先生も体に気をつけて下さい。
2学期もよろしくお願いします。
令和元年 七月
大切なこと
これで、マナーに沿った「暑中見舞い・残暑見舞い」になります。
まだ、中学生ですので、絶対この形式でなければダメだということではありません。
気持ちをこめて、相手に伝えたいことを書くことが一番大切です。
特に字は丁寧に書きましょう。
絵が得意な人は、夏らしい絵を入れるといいですね。
絵が苦手な人は、夏らしい絵が印刷されているはがきを使うといいでしょう。
「暑中見舞い・残暑見舞い」のあれこれ
「暑中見舞い・残暑見舞い」を書くときに、よくある質問に答えていきますね。
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喪中でも出していいの?
「暑中見舞い・残暑見舞い」は、喪中でも出して構いません。
年賀状は、喪中だと出すのを控えるので、「どうして?」と思うかもしれません。
理由は、年賀状には、「新年を祝う」という気持ちが入っているからなのです。
喪中に「祝うという行為」がダメなんですね。
「暑中見舞い・残暑見舞い」には、「祝う」という行為はありません。
季節の挨拶・相手への感謝の気持ちですので、喪中は関係ありません。
喪中でも「暑中見舞い・残暑見舞い」はしっかり出しましょう。
縦書き?横書き?
もちろん、どちらでも構いません。
大人の世界では、「縦書き」が一般的でしょうが、「横書き」が失礼というわけではありません。
注意するのは、数字の書き方です。
- 縦書きの時は数字を漢数字(一、二、三)で書きます。
- 横書きの時は数学で使うアラビア数字(1、2、3)で書きましょう。
ただし、数字が大きくなり漢数字で見にくい場合は、縦書きでもアラビア数字を使うことがあります。
「先生」と「様」どっち?
住所を書き、名前を書きますが、名前の下には敬称をつけます。
「先生」とか「様」というのが敬称です。
敬称は、1つだけという決まりがありますので、「○○先生様」とは絶対にしないでください。
先生に送る時は、「○○先生」と送りましょう。
最後に
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初めての「暑中見舞い・残暑見舞い」のマナーは難しいかもしれません。
しかし、お世話になっている人に「暑中見舞い・残暑見舞い」を出す習慣はとても素晴らしいものです。
しっかり心を込めて、感謝の気持ちを伝えましょう。