夏の風物詩の「蛍」について、ご存知ですか?
「蛍っていう、お尻が光る昆虫がいる」ということは子供に教えてあげることは出来るけど、その他のことを聞かれたら良く分からないし、答えられない…。
こんなお悩みをお持ちのママも少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、蛍の食べ物や子供に聞かれた時に役立つ情報をご紹介していきますよ。
Contents
蛍の食べ物って何?
蛍は、幼虫の時と成虫になってからでは食べ物が変わります。
蛍は幼虫の間、9ヶ月間水の中に生息しているのですが、その間の蛍の食べ物は「カワニナ」です。
蛍の幼虫は、口から消化液を出してカワニナを溶かして食べます。
実は、蛍は成虫になると何も食べません。
幼虫の時に食べたカワニナの栄養分だけで成虫になった後も蛍は生き続けるのです。
この幼虫の時に蓄えられたカワニナの栄養分を消化しきってしまった時に、蛍は寿命がつきます。
蛍のオスは、メスよりも早く死んでしまいます。
その理由は、
- 蛍のオスはメスよりも体が小さい
- 幼虫時代に食べるカワニナの量がメスよりもオスの方が少ない
からです。
蛍の成虫が唯一口にするのは、水だけです。
ですが、蛍の成虫は川の水を飲みません。
成虫になった蛍は夜露を飲んで過ごしますので、蛍の成虫はフンをしないという特徴があります。
「カワニナ」って何?
蛍の食べ物である「カワニナ」は、巻貝の一種です。
カワニナは、雌雄同体の生物なんですよ。
稚貝は生まれた時から殻をつけていて、生まれた時はゴマ粒ほどの大きさですが、親貝の体長は3センチを越えます。
カワニナは、水温の上がる5月頃から水温の下がる11月ごろまで活発に活動します。
カワニナの寿命は3年ほどで、カワニナの中には1匹が1ヶ月で70個余り稚貝を産むこともあります。
カワニナは水流の穏やかな所を好み、泥の中や水中の石、藻などに付いていて、昼間よりも暗くなってからの方が良く活動するという特徴があります。
子供に聞かれた時に役立つ蛍の情報を紹介!
ここでは、
- 蛍の種類
- 蛍の生息している場所
- 蛍の生息条件
などといった子供に聞かれた時に役立つ蛍の情報をご紹介します!
日本に生息している蛍の有名な種類は?
世界には、約2,000種類以上の蛍が生息していると言われています。
日本には、その2,000種類以上の蛍のうち、約50種類もの蛍が生息しているんですよ。
その中で、発光する蛍はたったの14種類ほどしかいないといわれています。
有名な蛍は、日本の本州・九州・四国にしか生息していない「ゲンジボタル」です。
一般的に蛍と聞いてイメージするのがこのゲンジボタルなんですよ。
ほかにも、「ヘイケボタル」や「ヒメボタル」といった蛍が有名ですね。
そして、蛍には幼虫時代を水の中で過ごす「水生蛍」と、陸上の湿っている暗い場所で過ごす「陸生蛍」に分けられます。
「陸生ホタル」とは?
陸生蛍は、幼虫の時期を陸で過ごします。
陸生蛍の主な種類は、「オオマドボタル」と「ヒメボタル」です。
オオマドボタルは、オスの大きさが10.5ミリ前後、メスの大きさが17ミリです。
オオマドホタルは、6月~8月まで見ることができますよ。
ヒメボタルの場合は、オスの大きさが9ミリ、メスの大きさが7.5ミリ前後です。
ヒメボタルは、6月半ば~7月の終わりまで見ることができます。
この種類の蛍はメスのハネが退化して飛べない場合が多く、光が弱い蛍や、光らない蛍も多いので見つけにくい蛍です。
「水生蛍」とは?
水生蛍は、幼虫の時期を水の中で過ごします。
水生蛍の主な種類は、「ゲンジボタル」や「ヘイケボタル」です。
ゲンジボタルは日本しか存在しない貴重な蛍で、大きさはオスが14ミリ前後、メスが7.5ミリ前後です。
ゲンジボタルは、5月下旬~7月まで見ることができます。
ヘイケボタルは、ゲンジボタルと似ているので、あまり見分けはつきません。
見分け方としては、「赤い背に太くて黒い筋」があるのが特徴です。
大きさはオス10ミリ前後、メスは12ミリ前後で6月~8月の期間に観ることができます。
蛍の生息している場所はどんなところ?
最近では、蛍を見られる場所がとても少なくなってしまいました。
蛍の生息地となるところは以下のような
- 蛍の食べ物である「カワニナ」がいること
- 水がきれいで、ごみが一切ないこと
- 静かで明かりもないところ
といった、多くの条件が必要になります。
毎年、このような条件のそろっている場所では、蛍を見るお祭りやツアーがありますが、現在の日本では蛍が見られる自然が残っているのは非常に貴重なことです。
蛍を見に訪れる際は、蛍のことを考え、マナーを守って行動しましょうね。
ゲンジボタル
ゲンジボタルは、きれいな水が流れているところで飛び回ります。
ゲンジボタルを見ることができる時期は、5月下旬~7月です。
ヘイケボタル
ヘイケボタルには、川や、やや濁った田畑水路でも生きる事ができる特徴があります。
ヘイケボタルを見ることができる時期は、6月〜8月です。
ヒメボタル
ヒメボタルを見ることが出来る場所は、林の中です。
ヒメボタルは5月~6月という短期間でしか見ることが出来ない蛍です。
蛍の生息条件はどんなこと?
蛍が生きるために必要な条件は、
- きれいな水のある場所
- 蛍の食べ物である「カワニナ」が生息している場所
- 飛び回ることのできる広くて外灯などの明かりがなく、ホタルが休むことのできる低い木
- 柔らかい土
- 卵を産み付ける木
などが必要になります。
蛍という昆虫はとてもデリケートなので、条件が1つでも欠けてしまうとその場所では生息することができなくなってしまいます。
蛍は地域によって光り方が違う?
西日本と東日本など、住んでるところで蛍の光り方が異なります。
ゲンジボタルのオスが、メスを探して飛んでいる時に西日本と東日本の発光パターンが異なることが、既に明らかになっています。
それぞれの地域の蛍は、同じ発光パターンを持つ蛍同士でないと、コミュニケーションが上手くとれなくなってしまうんです。
例えば、「人為的に他の地域から蛍を連れてくると、子孫を増やすことが難しくなる」ということになります。
「信州辰野ほたる祭り」を紹介!
長野県で毎年開催される日本随一の蛍のお祭り「信州辰野ほたる祭り」はご存知ですか?
日本一の蛍の名所、松尾峡・ほたる童謡公園では、例年6月上旬~中旬頃にゲンジボタルが発生のピークを迎えます。
美しく幻想的な風景を楽しむことができますよ。
多い年では、1日に1万匹以上の圧倒的な数のゲンジボタルが乱舞し、まるで宇宙にいるような感動に包まれます。
天候により、蛍の発生時期が前後する事もありますので、お出かけの際はインターネットなどでの確認が必要です。
イベント会場となる辰野町は長野県上伊那郡に位置する町です。
近くには信州一の湖、諏訪湖があり、自然豊かな土地です。
辰野ほたる祭りのメイン会場である松尾峡・ほたる童謡公園は、ゲンジボタルの群生地として知られています。
松尾峡・ほたる童謡公園には、諏訪湖から流れる天竜川の清い水があり、きれいな水でしか生きることの出来ない蛍や、蛍の食べ物であるカワニナを育んできました。
松尾峡は、長野県の天然記念物指定を受けています。
一時期は、日本の工業化に伴い減り始めた蛍ですが、町民達の努力で取り戻した場所です。
圧倒的な蛍の数に、子供たちもきっと感激することでしょう。
一生涯忘れることのできない思い出になるかもしれませんね。