花菖蒲という花をご存知でしょうか。
読みは「はなしょうぶ」です。
今回は、花菖蒲の基本的な情報や、咲く季節はいつなのかについて、そして、花菖蒲に似た紛らわしい植物のことについてもご紹介します。
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花菖蒲(ハナショウブ)とは
花菖蒲は、アヤメ科アヤメ属の多年草です。
多年草とは、草本植物で、冬には地上に出ている部分は枯れてしまうけれど、地下の部分は冬を越し春になると芽を出すものです。
2年以上生育します。
花菖蒲の花びらの色は、紫・白・ピンク・青・黄など、様々なものがあります。
花びらの付け根には、黄色い模様が入っています。
高さは80~100cmほど。
葉っぱは剣状でとがっています。
そして、平行脈と中肋脈(葉の中央を縦に通る太い葉脈)があります。
花菖蒲は「ノハナショウブ」が原種であり、ずっと品種改良が重ねられ、今現在は5,000種類以上もの花菖蒲の品種があるのだそう。
この花菖蒲を「ショウブ」と呼ぶときもあるけれど、サトイモ科のショウブとは区別しなければいけません。
(このあとショウブについてはご紹介します。)
花菖蒲の生息地は、陸地~水辺の半乾燥地、水湿地です。
このあと紹介するカキツバタと比べると、乾燥している場所に生息することができます。
花菖蒲(ハナショウブ)と菖蒲(ショウブ)は一緒??
ショウブ
引用元:https://kids.yahoo.co.jp/zukan/plant/main_season/spring/0129.html
ショウブは、サトイモ科の常緑多年草です。
高さは50~100cmほど。
葉っぱは細長い形をしていて、芳香があります。
強い芳香が邪気を払うと考えられており、現在「子どもの日」である5月5日の端午の節句にショウブの葉っぱを家の軒に飾ったり、お風呂に入れたりする風習があります。
分類から違っており、「ハナショウブ」と「ショウブ」はどちらも読みが「ショウブ」なわけなんですが、完全に別物となります。
字だけみると紛らわしいですが、覚えておきましょう。
写真を見ても分かる通り、花菖蒲とは見た目が全然ちがいますよね。
花菖蒲に似ている植物:菖蒲(アヤメ)・杜若(カキツバタ)
アヤメ
引用元:https://kids.yahoo.co.jp/zukan/plant/main_season/spring/0119.html
アヤメは、アヤメ科アヤメ属の多年草です。
アヤメは「菖蒲」の他に、「綾目」「文目」と書きます。
花菖蒲と分類が同じです。
そして見た目がハナショウブとカキツバタに似ている植物です。
高さは30~60cm程度。
外側に大きな花びらが三枚あって、その花びらの根元に網目模様があるのが特徴です。
また、花の中央~付け根に黄色い斑が目立っています。
生息地は乾燥しているところです。
杜若(カキツバタ)
引用元:https://kids.yahoo.co.jp/zukan/plant/main_season/spring/0120.html
カキツバタは同じ字を書くわけではありませんが、花菖蒲に似ている植物です。
同じくアヤメ科アヤメ属の多年草です。
池沼や湿地に生息しています。
高さは40~70cm程度。
葉っぱは広剣状です。
外側の花びらに白色の筋があります。
そして環境省が凖絶滅危惧種として指定している植物なんです。
花菖蒲、アヤメ、カキツバタを見分ける際には、模様や背丈を参考にするようにしましょう。
花菖蒲の種類
花菖蒲の品種は主に以下のようなものに分けられます。
- 江戸系(江戸種)
- 伊勢系
- 肥後系
- 長井古種
江戸系は、庭植えに向いている品種です。
江戸では花菖蒲の栽培が盛んでした。
そして、初のハナショウブ園が葛飾堀切に開かれ、このハナショウブ園は浮世絵にも描かれる場所となりました。
また、旗本の松平定朝(菖翁)が60年間にわたって300近い品種を作り出しました。
そして、「花菖培養録」を残し、花菖蒲栽培の歴史にとって重要な人物となったのです。
そのように松平定朝(菖翁)によって作られた江戸系の品種群が、日本のハナショウブの栽培品種の基礎になりました。
ここに紹介している花菖蒲の品種群の中でも、今現在江戸系のものが一番多くみられます。
花菖蒲は、庭で育てられるということで、日光や病気に強い品種で、栽培も比較的簡単です。
伊勢系は、室内で鑑賞するために現在の三重県松阪市を中心に栽培されてきた品種群になります。
伊勢松阪の紀州藩士である吉井定五郎が独自に品種改良を行ったものです。
1952年に、伊勢系は三重県の指定天然記念物になりました。
これを機に伊勢系は全国に知られることになったのです。
肥後系は、鉢植えの室内鑑賞のために熊本県を中心に栽培されてきた品種になります。
ボリュームのあるお花が特徴で、豪華な感じがします。
しかし、肥後系には風雨には弱いという欠点があります。
肥後系は菖翁(しょうおう)が作り出したもので、肥後熊本藩主の細川斉護が藩士を菖翁のところに弟子入りさせて、門外不出を条件にして譲り受けた品種です。
満月会が今も栽培・改良を続けています。
長井古種は、山形県長井市で栽培されてきた品種になります。
他の三系統のどれにも属さないことが1962年に確認され、その名前をつけられたものですが、江戸後期から品種改良の影響を受けておらず、原種に近いものであろうと言われています。
花菖蒲の季節っていつ?
花菖蒲は、5月下旬から6月に開花し、梅雨の時期に美しく咲き誇る植物です。
花菖蒲を見に行くならこの時期を狙いましょう。
また、アヤメの花が咲く時期が5月上旬ごろ、カキツバタの花が咲く時期は5月中旬ごろです。
なので、花菖蒲を見に行った時には他の花もきっと咲いていると思います。
花菖蒲の花言葉
花菖蒲の花言葉は以下のように多くあります。
- 優しい心
- 優しさ
- うれしい知らせ
- 信頼
- 忍耐
- あなたを信じる
- 情熱
- 伝言
- 心意気
- 優雅
花菖蒲には毒性がある
花菖蒲には毒性があるってご存知でしたか?
花を持ち帰って食べる・・・ということはないとは思いますが、お子様を連れて行った際に誤って食べたりしないよう注意してくださいね。
菖蒲と勘違いして花菖蒲をお風呂に入れたりもしないようにしてください。
花菖蒲がみられる公園
全国で花菖蒲がみられる場所をご紹介します。
なるべく「花菖蒲」と名前がつく場所を選んでみました。
ぜひ直接花菖蒲を見に行ってみましょう!
水元公園(東京都葛飾区)
約80種・2万本の花菖蒲が菖蒲田に咲き誇ります。
花菖蒲の開花状況は、公式Twitterがあるのでそちらで教えてくれます!
花菖蒲の郷公園(宮城県登米市)
6月中旬~7月上旬に、約300種類・80万本の花菖蒲が咲いているのを見ることができる回転式大庭園です。
みやこ町豊津花菖蒲公園(福岡県京都郡)
約3,000株・約1万本・約30品種の花菖蒲が花を咲かせます。
毎年6月の上旬に、花菖蒲の見ごろに合わせてお祭りも開催されますよ。
大和中央公園花菖蒲園(佐賀県佐賀市)
約4万株100種類の花菖蒲が花を咲かせます。
ここは花菖蒲が開花する時期だけの開園となります。
花菖蒲の季節っていつなの?・まとめ
引用元:https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-738
今回は、花菖蒲の基本的な情報や咲く季節、そして他の見間違いやすい植物などについてご紹介しました。
いかがだったでしょうか??
花菖蒲、美しく咲いている時期にぜひ見に行ってみてください。
「これが花菖蒲かな?アヤメかな?それともカキツバタ?」と、なんの種類の花なのかじっくり見てみるとよいですね。