ひな人形を置く意味や由来の説明と「人形」とお道具」の役割とは?

ひな祭り
ひな人形を置く意味や由来の説明と「人形」とお道具」の役割とは?

ひな祭りは、女の子のとって大切なイベントですよね。

でも、ひな祭りに「ひな人形」を飾る理由は?と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、ひな人形を置く「意味」や「由来」を説明させて頂き、それぞれの「人形の役割」も分かり易く解説します。

Contents

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ひな祭りに「ひな人形」ってなんで飾るの?

ひな祭りで「ひな人形」を飾る習慣について、その説明するために、簡単にひな祭りの始まりから、お話させて頂きます。

日本で大切な行事の一つの「ひな祭り」ですが「ひな人形」を飾るようになったのは、江戸時代の頃と言われています。

ひな祭りの始まりは、中国の古い歴史の「上巳(じょうし・じょうみ)の節句」という厄払いの行事から来ているんです。

そして、この行事が平安時代の頃に日本にも伝わりました。

子供が健康に育つため

まだ、ひな人形が無かった頃は、川に入って身を清めて、厄払いをするだけでしたが。

「人形に厄を移して川に流す」という風習が始まりました。

  • これを「流しびな」と呼ばれるようになりました。
  • そして子供が人形を作って遊ぶ「ひいな遊び」

この二つが由来で「ひな人形」になりました。

ひな人形を飾ることで、家族を守るという思いが込められているんです。

今は医療が発達して子どもが育つ環境も良くなりましたが、昔は子どもを健康に育てるのがとても大変でした。

だから、日本では「ひな祭り」のように、家族の幸せや健康を願う行事が、とても大切にされているんですよ。

幸せな結婚を願うため

江戸時代になると、ひな人形を飾る習慣が、次第に「ひな祭り」という名前で親しまれるようになりました。

ひな祭りに、ひな人形を飾るのは、ただ可愛いからというわけではないんです。

ひな人形は、天皇陛下と皇后陛下の結婚式をイメージして作られているので、幸せな結婚を願うために作られました。

つまり、その家に生まれた女の子が、幸せになれるように、良い縁に恵まれますようにという願いを込めているんです。

もともとは老若男女、誰でも健康を願う日でしたが、ひな人形が登場してから、女の子の幸せを願う日に変わったんですよ。

ひな人形の役割と道具の飾り方「1~7段」

ひな祭りには、色とりどりのひな人形を飾るのが伝統ですよね。

最近は、お内裏さまとお雛さまだけのシンプルなセットもよく見ますが。

伝統的な物は、1~7段で全部で15体の人形を置きます。

それぞれ、役割もしっかりあるので、解説させて頂きます。

1段目は「お内裏様」と「お雛様」を表す親王(しんのう)

一番上にいるのは「お内裏様」と「お雛様」です。
この2人は、天皇と皇后を表していて、結婚式の主役のような存在なんですよ。
  • お内裏様は「笏」という大事な儀式に使う道具を持っています。
  • お雛様は「桧扇」という扇を持っています。

2段目は「お酒を注ぐ」三人官女(さんにんかんじょ)

2段目は三人官女です。
この3人は、普段から皇后様のお手伝いをしている偉い人たちなんです。
ひな祭りでは、主にお酒を注ぐ大切な役割です。
  • 長柄でお酒を注ぐ
  • お酒が入った三方を持つ
  • 提子という小さなヤカンのような物でお酒を持つ
この三人官女、よく見ると一人一人表情が違っていて、中央の人はお歯黒をしています。
これは、既婚者であることを示しているんです。

3段目は「歌と楽器の演奏」の五人囃子(ごにんばやし)

3段目には、五人囃子(ごにんばやし)がいます。

結婚式を盛り上げるための、音楽隊のようなもので「能楽」という特別な演劇を奏でます。

  • 1人は扇子を持って歌を歌っています。

残りの4人は下記の楽器を担当しています。

  • 太鼓(たいこ)
  • 大鼓(おおつづみ)
  • 小鼓(こつづみ)
  • 能管(のうかん)

4段目は「天皇陛下」や「皇后陛下」を守る随身(ずいしん)

4段目は、随身(ずいしん)です。

何かあった時に、天皇陛下や皇后陛下を守る存在です。

いつでも天皇陛下や皇后陛下を守れるように、刀や弓矢を持っていて、何があっても守ってくれる頼もしい人たちなんです。

随身の人形は、見た目にも特徴があります。

  • 髭を生やしたご年配の男性
  • 束ねた髪が特徴の若い男性

この2人の違いもぜひチェックしてみてくださいね。

5段目は人生の「喜怒哀楽」を表現する仕丁(じちょう)

5段目は「仕丁」という3人です。

人生の喜怒哀楽の3つの表情を表現しています。

  • 1人は泣く
  • もう1人は笑う
  • 最後の1人は怒っている

だから「三人上戸」とも呼ばれているんです。

手に持っているものには、お掃除する時に使うほうきやちりとり、または外に出る時に使う傘などです。

6段目は「嫁入り」のための道具を置く

6段目は「嫁入道具」が飾られます。

結婚してから生活するのに必要な家具や道具を置きます。

たとえば、服をしまうたんすや、鏡と裁縫セットが一緒になった特別な道具、お茶を淹れる棚や、お正月に使う料理を入れる重箱があります。

  • たんす
    大切な着物を収納していたようです。
  • 長持(ながもち)
    寝間着や寝具を収納する家具です。
  • 鏡針揃(きょうはりぞろい)
    お化粧をする鏡と、お洋服を直す時に使う針と糸が一緒になったセットです。
  • 火鉢(ひばち)
    これは、部屋を暖めるために使うもので、炭を入れて火をつけます。
    現代のヒーターやストーブのような役割を果たしていました。
  • 台子(だいす)
    お茶を淹れる時に使うお道具を置く棚です、来客が家に来た時にお茶を出すのに使います。
  • 重箱(じゅうばこ)
    お正月におせち料理を入れる時に使う箱です。

7段目は「御輿入れ」の道具を置く

6段目は結婚式で花嫁を運ぶための道具を置きます。

  • 御駕籠(おかご)
    昔のお姫様がお出かけするときに使った、かごに似た乗り物です。
    棒を通して、人が担いで運ぶんですよ。
    想像しただけで、お姫様の気分を味わえそうですね。
  • 牛車
    屋根つきの小さな部屋に皇后さまが乗るもので、牛が引っ張って歩くんです。
    映画で見るような、ゆったりとした旅の風景を思い浮かべるといいかもしれません。

ただ、6段目と7段目の段は特に決まりはないので、好きなように嫁入道具と御輿入れ道具を入れ替えても大丈夫です。

その他の道具

  • 緋毛氈(ひもうせん)
    ふわふわの赤い布のことで、昔からいろんなお祭りや大切な行事で使われています。
    ひな人形の下に敷くことで、もっと華やかに見せてくれるんですよ。
  • 桜の花
    悪いものから守ってくれる力があるとされていて、ひな人形と一緒に飾ると、家族を守ってくれるという願いが込められています。
  • 橘の花
    タチバナは冬に花をつける特別な植物で、長生きできますようにという願いを込めて、ひな人形と一緒に飾られます。

家庭によって「ぼんぼり」という灯りや、「ひし餅」という形の餅を飾るところもあるそうです。

ひな祭りに「ひな人形」を購入する際のポイント

ひな人形を選ぶ時は、家にどれくらいの場所があるかを考えて、ちょうどいいサイズを選ぶのが大事です。

もし、置く場所がない時は、お内裏様とお雛様だけの小さなセットもあるので、それを選ぶといいかもしれませんね。

昔は、おばあちゃんがひな人形をプレゼントするのがよくあることだったんですよ。

でも、今はお父さんお母さんが自分たちで好きなひな人形を選ぶことも増えています。

ひな人形を贈ることを考えている、おじいちゃん、おばあちゃんがいたら、まずはお父さんお母さんと相談してみましょう。

複数の姉妹がいる家では、それぞれにひな人形を用意するのが理想ですが、とても難しいと思います。

そんな時は、それぞれの姉妹に、小さなサイズの人形とお飾りだけを渡すのも一つの手です。

ひな人形の意味や由来や「人形」と「お道具」の役割:まとめ

ひな人形の意味と由来の説明とそれぞれの「人形とお道具」の役割とは?

今回は、ひな人形の「意味」や「由来」と段のごとの「人形」とお道具の「役割」をご紹介させて頂きました。

女の子が初めて迎えるひな祭りを「初節句」と言って、この日は一生に一度なので、家族みんなで盛大にお祝いして貰えると娘さんも嬉しいと思います。

大切な娘が、無事に育って、ひな祭りを迎えることができるのは、お父さんとお母さんも凄く嬉しいと思います。

ご家庭によって、お祝いの仕方はいろいろありますが、家にひな人形を飾ったり、特別なごはんを作ってお祝いをしてあげてくださいね。