手紙を書く習慣がないと、なかなか手紙を書くのが億劫になってしまいますね。
しかし、お礼など手紙でいただくと大変嬉しいものです。
そして、7月はお中元のお礼など、書く機会が多いです。
基本的な手紙の書き方と、7月の季語を紹介していきます。
Contents
基本的な手紙の書き方
手紙の書き方には、形式があります。
一般的に目上の方など、気を使う相手には「縦書き」で書きます。
前文
「頭語」と「時候の挨拶」を書きます。
「頭語」とは手紙の最初に書く言葉で「拝啓」や「謹啓」などです。
詳しくは、後で説明します。
「時候の挨拶」とは、季節の挨拶から安否を気づかう言葉が続きます。
こちらも詳しくは、後で説明します。
主文
手紙の用件を書きます。
用件の前に「さて、この度は、突然ですが、早速ですが、ところで、ときに」という「起語」を使えば、文章が書きやすくなり、読んでもらうときも読みやすくなります。
末文
「結びの挨拶」と「結語」を書きます。
「結びの挨拶」とは、相手の健康や幸せを祈る言葉です。
詳しくは後で説明します。
「結語」とは手紙の最後に書く言葉で「敬具」や「謹言」などです。
こちらも詳しくは、後で説明します。
後付
「書いた日付」「差出人」「宛名」の3つを書きます。
「書いた日付」は、「令和元年七月十日」のようにそのまま書いた日付を書きます。
お祝い事の場合は「令和元年七月吉日」などと書く場合があります。
「差出人」は、自分の氏名を書きます。
「宛名」は送る相手の氏名を書き、「様」のような敬称を書きます。
頭語と結語とは?
「頭語」と「結語」は、手紙の最初と最後に書く言葉です。
この言葉をつけることにより、「相手への敬意」を表すことになります。
例えば「拝啓」なら、
- 「拝」は、「首をたれて拝むこと。私はあなたより低い」ということ。
- 「啓」は、「申し上げる」ということ。
この二つの漢字の意味で「謹んで申し上げます」という意味になっているのです。
そして、「頭語」と「結語」は必ずセットになっています。
一般的に使われる「頭語」と「結語」を紹介します。
- 「拝啓(はいけい)」「敬具(けいぐ)」→一般的
- 「謹啓(きんけい)」「謹言(きんげん)」→丁寧な手紙
- 「前略(ぜんりゃく)」「草々(そうそう)」→親しい関係
女性しか使えない「結語」もあります。
「かしこ」です。
この結語は、どの「頭語」との組み合わせでも使える女性らしい「結語」になります。
時候の挨拶
「時候の挨拶」とは、「季節にあった挨拶」と「相手の健康を気遣う言葉」が基本です。
手紙は何かの「用件」があって書くものです。
では、「用件」だけでもいいんじゃないかと思うのもよく分かります。
しかし、実際立ち話をする時も「用件のみをすぐ言う」のは、かなり親しい間柄ではないでしょうか。
やはり「今日は暑いですねぇ。」と当たり障りのないことを言ってから、「あ、そうそう」と「用件」を言うことってよくあります。
手紙も同じです。
「時候の挨拶」という「ワンクッション」があれば、「用件」に入りやすくなるのです。
それでは具体的に「時候の挨拶」を紹介していきましょう。
「時候の挨拶」は、「季節にあった挨拶」と「相手の健康を気遣う言葉」を合わせるのが基本です。
「相手の健康を気遣う言葉」
- 「いかがお過ごしでしょうか。」
- 「お変わりなくお過ごしでしょうか。」
- 「お健やかにお過ごしのことと存じます。」
- 「毎日お元気でご活躍のことと存じます。」などです。
「季節にあった挨拶」の後につけましょう。
- 例 長かった梅雨も明け、夏本番になりました。いかがお過ごしでしょうか。
- 蝉の声が聞こえる季節になりましたが、お健やかにお過ごしのことと存じます。
7月の「季節にあった挨拶」
- 長かった梅雨も明け、夏本番となりました。
- 日差しも日増しに夏らしくなってまいりました。
- 夏の日盛りに木陰の恋しい季節となりました。
- 毎日暑さが厳しい日が続いておりますが、
- 蝉の声が聞こえる季節となりましたが、
- 真っ青な空に入道雲が湧き上がる季節になりましたが、
- 夏休みに入り、子どもたちが元気に遊ぶ声が聞こえるようになりました。
- 例年にない冷夏とのことで、過ごしやすい毎日が続いております。
このような挨拶は女性らしく、手紙が柔らかい感じがします。
改まった手紙の場合は、固いイメージの「季節の挨拶」があります。
- 大暑の候、 大暑のみぎり、 大暑の折、
- 盛夏の候、 盛夏のみぎり、 盛夏の折、
- 猛暑の候、 猛暑のみぎり、 猛暑の折、
このような言葉の場合は、「相手を気遣う言葉」も少し新たまった感じにした方がいいでしょう。
- 例 大暑の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
- 盛夏の折、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
手紙の書き方として、「用件」の後に「結びの挨拶」を入れます。
「時候の挨拶」と同じで「季節にあった挨拶」と「相手の健康を気遣う言葉」が基本です。
- 時節柄くれぐれもご自愛くださいませ。
- 八月に入ると全国的に猛暑の日が多いとのことですので、どうかお体を大切になさってください。
- 炎暑の折から、ご自愛のほどお祈り申しあげます。
- 暑さ厳しき折ではございますが、どうかますますご壮健に。
しかし、「時候の挨拶」と違うところは、「季節の挨拶」がなくても構わないところです。
- 末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます。
- またお会いできる日を楽しみにしております。
- 略儀ながら書中をもちましてお礼とさせていただきます。
など、「用件」を反映した相手への「挨拶」になることも多いです。
7月の季語
手紙を書くと「季語」の存在は欠かせません。
四季折々の美しさのある日本です。
7月にもたくさんの「季語」があります。
7月の季語
食べ物・・・アイスクリーム、メロン、マンゴー、トマト、冷奴など
飲み物・・・アイスコーヒー、ラムネ、生ビール、麦茶、冷酒など
植物・・・百合、月見草、ハマナス、月下美人、百日草、ダリアなど
その他・・・蝉時雨、海水浴、プール、祇園祭、扇風機、風鈴など
間違いやすい秋の季語
季語を考えるとき、夏は「5月6月7月」になります。
ですので「8月」は立秋もあり「秋」なのです。
「夏の季語」と間違えられやすい「秋の季語」を紹介します。
- 西瓜(すいか)・・・西瓜が美味しくなるのは、「立秋」が過ぎた頃なので「秋」の季語になります。
- 七夕(たなばた)・・・旧暦の七夕は、今の8月になりますので「秋」の季語になります。
- 朝顔(あさがお)・・・夏休みに咲くので「夏」のイメージですが、「秋」の季語になります。
- お盆・送り火・・・これも旧暦で考えると、今の8月中頃になりますので、「秋」の季語になります。
昔ながらの言葉は、旧暦で考える場合もあるので、手紙に書く時にはチェックを忘れないようにしましょう。
妻が夫の代筆をする場合
7月は、礼状を書く機会が多いです。
夫宛の「お中元」の礼状を、妻が代筆する場合もあるでしょう。
その場合も、普通の「手紙の書き方」と変わりはありません。
ただ、一点のみ違うだけです。
それは、「この手紙は本人が書いたのではなく、妻が代筆しています」と表す必要があるのです。
全く難しいことはありません。
「後付」のところで「差出人」に夫の名前を書いた後、名前の左下に小さく「内」と書くのです。
すると、受け取った方は、「奥様が代筆されたのだな」と理解してくれます。
まとめ
手紙には決まった形式があり、難しく感じることも多いです。
しかし、形式があるからこそ、一度しっかり習得すれば楽に書けるようにもなります。
ぜひ、物怖じせず書いてみましょう。