各地に夏至の日には決まった食べ物を食べる風習がありますが、地方によってその食べ物はちがうってご存知でしたか?
そもそも夏至自体を意識してこなかった方もいらっしゃるかもしれません。
今回は地方によってちがう、夏至の日に食べる食べ物の風習をご紹介します!
Contents
夏至(げし)について
夏至(げし)とは
夏は日が長いですね。
「暗くなるまでには家に帰りなさい」とルールを決めていて、この時期には冬よりお子様を少し長く外で遊ばせる方もいると思います。
夏はその時期を通して昼間が長いわけですが、夏至とは、夏は夏でも北半球で昼間がもっとも長い日のことを指します。
2019年の夏至はいつ頃になる?
夏至は例年6月21日ごろです。
2019年の夏至は6月22日(土曜日)になるようです。
半夏生(はんげしょう)について
半夏生(はんげしょう)は、雑節の1つです。
(雑節とは、季節の移り変わりをとらえるための日本独自の暦日です。)
夏至の日を基準に数えて11日目の7月2日ごろを指します。
夏至から半夏生までは田植えの時期になるということで、これからご紹介しますが、田植えに関係して夏至の食べ物の風習ができてきたということが多いようです。
地方別・夏至の食べ物の風習
【北海道・東北の夏至の食べ物】特になし
どうやら、北海道や東北には夏至の日に決まった食べ物を食べる風習はないようです。
しかし、北海道では夏至祭は開催している模様です。
毎年数千人の方が来場するのだそう。
【関西の夏至の食べ物】タコ
関西では、夏至の日にタコを食べる風習があります。
なぜタコを食べるんでしょうか。
タコはこのように8本の足が伸びています。
なので、稲が四方八方に根付くよう祈願するために、また、タコの吸盤のように稲穂がよく実るように、関西ではタコを食べるようになりました。
半夏生の時期はおいしいタコがたくさんとれるのだそう。
タコは、タウリンが豊富で、肝臓の働きを促し、動脈硬化を予防したり、網膜修復の機能があり目の健康にもよいです。
また、タコには亜鉛が豊富です。
亜鉛には、味覚を正常に保ったり、免疫力を向上させたりする効果があります。
亜鉛は成長・発育にも関わるので、お子様には必須の栄養素です。
【関東の夏至の食べ物】小麦餅
関東では、夏至の日に小麦餅を食べる習慣があります。
小麦餅とは、小麦ともち米を同じ量混ぜ合わせてついたお餅のことです。
小麦餅と言っても小麦しか使われていないわけではないんですね。
関東地方では、二毛作の農家が多く、夏至のころには新小麦が収穫されていました。
こちらも豊作祈願ということで、夏至のころ収穫した新小麦を使って小麦餅を作って食べていたことからできた風習のようです。
【福井県の夏至の食べ物】焼き鯖
福井県では、半夏生の日に半夏生の鯖と呼ばれる焼き鯖を食べます。
方言で、半夏生を「はげっしょ」と読みます。
農家の方たちは、半夏生の日までに畑仕事や田植えを終えることを目安として農業に勤しみ、この半夏生の日より5日間をお休みの日としている地方もあるのだそうです。
大野藩のお殿様が、田植えで疲れている領民を元気づけるために、鯖を食べることを勧めたことでこの風習ができたようです。
大野市内の魚屋さんでは、「半夏生鯖」を毎年の半夏生の日に店で焼き上げて売っています。
また、県内各地のスーパー・魚屋等で、半夏生鯖コーナーができるようです。
焼き鯖はタンパク質やDHA・EPAが豊富に含まれる夏バテ防止のスタミナ食として、農作業で疲れ切った体にパワーを与えます。
現在、鯖と言えば、缶詰が健康食として爆発的に売れてますよね。
鯖の健康パワーには昔から目をつけられていたということでもありますね。
【三重県の夏至の食べ物】ミョウガ
三重県では夏至にミョウガを食べる風習があります。
ミョウガといえば、冷奴やそうめんに乗せたりして食べると思います。
そんなミョウガですが、香りが独特ですよね。
それは、アルファピネンという成分によるもので、血液の循環を良くし、冷え性を予防したり食欲を増進させる効果があります。
三重県伊勢市二見町の二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)では、毎年夏至祭が行われます。
2019年も、夏至の日の6月22日土曜日に夏至祭が行われます。
【愛知県の夏至の食べ物】イチジク
愛知県のイチジク生産量は、全国シェアの約18パーセントも占めており、なんと第一位なんです。
そんなイチジクは、愛知県でイチジク田楽にして夏至の日に食べられるのだそう。
ただし、「そんな話は聞いたことがない」「デマ?」という声も聞かれます。
果たして真偽のほどはいかに・・・・
それはさておき、イチジクには、食物繊維ペクチン・カリウム・カルシウムといった栄養素が含まれており、不老長寿の食べ物と言われています。
そう言われるとイチジク、食べたくなりますね。
【静岡県の夏至の食べ物】冬瓜(とうがん)
静岡県では、夏至の日に冬瓜を食べる風習があります。
冬瓜は、「冬」とつきますが夏野菜です。
緑色で楕円形をしているうり科の一年生つる草です。
静岡県産の冬瓜の取り扱い量は、全体の約19%と、全国第三位という順位です。
多いですね。
冬瓜は、味がさっぱりしていて、その95パーセント以上が水分です。
塩分を排出し、高血圧やむくみを防ぐカリウムをたくさん含んでいます。
ビタミンCで美肌効果・肌の健康を保ちます。
また、サポニンという成分は、脂肪を分解し、肥満や動脈硬化の予防に役立ちます。
低カロリーでダイエットの味方であり、夏バテ予防にも最適なのが冬瓜です。
ただし、冬瓜には体を冷やす働きがあり、冷え性だと体を冷やすことになるので食べすぎには注意です。
【香川県の夏至の食べ物】うどん
みなさんが香川県と言えば、すぐに思い浮かべるであろううどん。
そのうどんを、香川県では夏至の日にも食べる風習があります。
半夏半作と言って、半夏生の日までに田植えを終わらせないと収穫量が大幅に減ってしまう・・・と、農家のみなさんは必死にがんばっていました。
農家の方は半夏生までに麦刈り・田植えを終わらせ、その後少しゆっくりする時間をとるのだそう。
また、うどんの食べ方に関しては、煮干しでとったつけ汁で食べる、タケノコでとっただしで食べるなど、県内でも様々なようです。
加えて、香川県では、「はげだんご」もうどんとともに食べられます。
はげだんごとは、小麦粉に水を加えて練り、茹でてから、練っておいたあんをまぶしたものです。
はげだんごという名前の由来は、
- 団子の表面はつるっとしていて、あんこがまだらについている
- 半夏生に食べる「はんげだんご」がなまって「はげだんご」に変わった
など、諸説あるようです。
【九州の夏至の食べ物】小麦餅や団子
九州では、小麦餅や団子といったものを夏至の日に食べる風習があるようです。
これも稲の豊作を願って、神棚にお供えをしたあとに食べているようです。
まとめ
今回は、夏至の日に食べる食べ物を地方別にご紹介しました。
それぞれに特有の風習がありましたね。
それぞれの食べ物の栄養素にも注目してみましたが、夏至ということで夏バテ防止や農作業の疲れを癒すのに適している栄養素も素晴らしい食べ物が多かったです。
また、夏至に食べる食べ物ということで、時期的に田植えとの関連性があるところを多く見かけました。
今まで夏至を意識しなかった方も、自分の住んでいる地方に風習として残っている食べ物を食べて、夏至の日をイベントして楽しんでみてはいかがでしょうか。