ジュニアNISAをご存知ですか?
少し前まで、子どもの教育資金の貯蓄方法と聞いて頭に浮かぶのは「学資保険」でした。
しかし最近はそこに、資金アップの可能性が広がる「ジュニアNISA」が加わりました。
ジュニアNISAは5年間、非課税で投資ができるシステムです。
しかも、ロールオーバーの制度を利用すれば20歳まで非課税運用も!
Contents
NISAについて
ジュニアNISAの前に、先ずはNISAについてご説明いたします。
NISA(ニーサー)とは「Nippon Individual Savings Account」の略で、少額投資非課税制度のことです。
イギリスで1999年に、個人の投資率と貯蓄率を向上させようと導入された「ISA」がお手本になっています。
毎年120万円まで投資することができ、通常は約20パーセントの税率で課税される投資から得た利益が、最長5年間非課税となります。
非課税の対象は?
- 国内上場株式
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- 株式投資信託
- 公募株式投資信託
など
非課税という魅力的な特徴のあるNISA!
NISAは「NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類あり、2014年1月のスタート以来徐々に利用者は増え続けています。
金融庁においての調査結果は下の通りです。
(平成30年12月末時点のNISAの口座数)
種類 | 口座数 |
NISA | 1142万9743口座 |
つみたてNISA | 103万7169口座 |
ジュニアNISA | 31万2735口座 |
今回は、この中の「ジュニアNISA」について詳しくお話させていただきます。
ジュニアNISAって?
ジュニアNISAは名前の通りで「子供向けのNISA」のことです。
口座は「証券会社」「銀行」「郵便局」などで開設ができます。
NISAは20歳以上の成人が対象で、年120万円まで投資することができますが、ジュニアNISAは口座を開設する年に0歳から19歳以下である方が対象で年80万円までとなっております。
80万円・・・
子どもが運用するには額が大きいですよね?
そのため、口座名義は子ども(孫)となり、お金も子ども(孫)のものとなりますが、実際に投資運用や管理をするのは親か祖父母となります。
そしてもう1点、NISAと違う点があります。
それは、18歳まで払い出しができないということです。
※3月31日時点で18歳になる前年の12月31日まで
理由としては、ジュニアNISAが子どもや孫の教育資金等、将来の資産形成のための制度だからです。
非課税になる期間は開設してから5年間ですから「年間80万円×5年」
非課税投資枠は最大400万円となりますね。
しかも、この元手で得た利益も非課税対象なのも重要な好ポイント!
もう1つ、大きなポイントがあります!
非課税期間は5年間ですが、ジュニアNISAの運用期間中はロールオーバーができるのです。
ロールオーバーって何?
NISAは、非課税期間が満了となった後も、翌年のNISA非課税投資枠に「移管」することができます。
この「移管」のことを「ロールオーバー」といいます。
口座を開設してから5年経過し、6年目は「ロールオーバーして非課税の期間を延長する」か「課税口座に払い出す」のかの2択になります。
投資には向き不向きがあるかもしれませんが、ロールオーバーするかしないかで迷う時期の方は、NISA経験4年以上経っている場合がほとんどだと思います。
その段階でご自身が「投資に向いているのか」「向いていないのか」という自己判断をしてみてください。
そして、「向いている」と思った場合は是非ロールオーバーをして資金を増やしましょう!
※ロールーバーは自動で行われるものではありません。
期限も設けられていますので、忘れずにお手続きをしましょう。
なお、開設した金融機関のみでのお取引となっているため、金融機関の移動は原則できません。
どしても変更したい場合は、一度口座を廃止しなくてはいけないのでデメリットしかありません。
ジュニアNISAの運用期間は2023年までとなっています。
そこで気になるのが「その後のこと」ですよね?
運用期間が終了した後の2024年以降は、ジュニアNISA非課税投資枠にロールオーバーすることはできなくなりますが「継続管理勘定」へのロールオーバーができるのです。
継続管理勘定とは
ロールオーバー専用枠です。
これを使うことにより、満20歳になる年まで非課税の期間を延長することができるのです。
ただし、継続管理勘定口座の場合は新規の買い付けはできませんのでご注意くださいね。
2023年で終わってしまうなら、期間中に複数の口座を開設したい!
複数の口座を開設したいと思う方は非常に多いのですが、未成年者1人につき1口座となっております。
開設する金融機関もしっかりと選びましょう!
デメリットについて
ここまではメリットばかりを紹介してきましたが、デメリットもあります。
- 子どもが18歳になるまで払い出しができない
先にも述べましたが、ジュニアNISAは18歳になるまで払い出しができない制約があるため、もし途中で事情があり払い出さなくてはいけなくなった場合は口座の廃止をしなくてはいけません。
その場合は、非課税対象の過去の収益に対しても課税されてしまいます。
0歳からはじめた場合は、18年間払い出しができないことになりますね。
※災害などでどうしてもお金が必要になった場合は、税務署から承認を受ければ非課税での払い出しができます。
- 損をしてしまうこともある
元本は保証されていません。
あくまでも「投資」なので、運用の仕方次第では資金が大きく増える可能性もありますが、逆に元本割れを起こす可能性があることを頭に入れておきましょう。
このようなことがあるので「子どものためにお金を残したい」と思ってジュニアNISAだけに頼るのは危険です。
軽い気持ちで判断せず、余裕を持った計画的な運用をおすすめいたします。
楽しみながら活用してください
先にも述べましたが、教育資金の1部を運用という形でジュニアNISAを楽しみながら活用していただきたいと思います。
ジュニアNISAには資金アップ以外にも楽しむポイントがあります。
それはズバリ「株主優待!!」
NISAは投資なので、お子さまの将来の資産形成のために資金を増やすチャレンジをしながら「株主優待」を楽しむこともできるのです。
資金が増え、株主優待を使用してご家族で楽しむことができたら、嬉しさも倍増ですね。
アミューズメントやお食事などで優待を受けられるような、ご家族で楽しめる銘柄も多数あります。
一番大切なのは資金を増やすことだいうことは絶対にぶれてはいけませんが、購入時は優待内容もチェックしてみてください。
ジュニアNISAのまとめ
【ブログ更新】ジュニアNISAは資金拘束のリスクがありますが、子供の金融教育を兼ねて利用するならば良い制度です。逆に、学費をジュニアNISAに100%依存するのは危険です。
ジュニアNISAは子供の金融教育を兼ねて利用するのが正解…https://t.co/AORj1ys7bz— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) April 13, 2019
いかがでしたか?
上手に使えば資金も増えて、学校では細かく教えてくれない「投資」について、お子さまに学んでいただける良いきっかけにもなります。
デメリットがあるのは確かですが、しっかりとしたメリットもありますよね。
ジュニアNISAの口座開設は今からでも間に合います。
2019年に投資をし2023年に制度は終了しても継続管理勘定口座へロールオーバーしておけば、その後も子どもが満20歳になるまでは保有可能です。
開設している方や開設をお考えの方は是非、ロールオーバーを上手に利用して資金をアップを目指してください!
なお、NISAの税制は変更が多々ありますので、定期的なチェックをしてくださいね。