【白い巨塔】ひどいと感じる理由は?裁判・実話モデルから闇を考察!

ドラマ

山崎豊子原作『白い巨塔』は、医療ミスや権力闘争、裁判の理不尽さなど「ひどい」と言われる描写が満載です。

しかし、それこそがこの作品の本質であり、なぜこれほど長く愛され続けるのかの理由でもあります。

この記事では【白い巨塔】ひどいと感じる場面や背景を、実話モデル・事件・裁判の描写から深掘りします。

この記事を読むとわかること

  • 『白い巨塔』が「ひどい」と言われる理由
  • 実在の病院や事件がモデルとされる背景
  • 名作として今も語り継がれる魅力と意義

Contents

なぜ『白い巨塔』は「ひどい」と言われるのか?

『白い巨塔』を視聴した多くの人が、「ひどい」「苦しくなる」と感じるのには明確な理由があります。

その主な原因は、倫理を逸脱した医師の行動と、病院という組織の自己保身にあります。

医療の名のもとに人命が軽んじられ、正義が押し潰されていく様子がリアルに描かれているのです。

財前五郎の医療過誤と組織ぐるみの隠蔽

主人公・財前五郎は卓越した腕を持つ外科医でありながら、出世欲と野心に突き動かされた人物です。

物語の核心となるのは、彼が手術した患者・佐々木庸平の死。

術後の異変を軽視し、結果的に患者を死亡させたにもかかわらず、病院側は責任逃れの姿勢を取り続けます。

この「医療ミスがあっても隠蔽される」構図こそが、多くの視聴者に「ひどすぎる」と感じさせる要因です。

佐々木家の裁判と正義がねじ曲がる構造

息子を亡くした佐々木よし江が起こした裁判では、財前側の証人買収や病院ぐるみの偽証が行われ、正当な判断が下されるまでに長い時間を要します

しかも財前は一審では勝訴しており、「やはり権力には勝てないのか」という重いメッセージが伝わってきます。

命を失った人がいるのに、裁かれるべき者が守られる——視聴者が「ひどい」と感じるのも当然です。

裁判そのものが正義を明かす場所ではなく、組織や権力を守る舞台として機能している描写は、フィクションであっても現実に近すぎるのです。

だからこそ『白い巨塔』の「ひどさ」は、単なるドラマの不快感ではなく、現実社会が抱える問題そのものを突きつけているのです。

モデル病院と実話が生むリアルすぎる重圧

『白い巨塔』が「ひどい」と言われるもうひとつの要因は、リアルすぎる描写の背景に“実在のモデル”があるという事実にあります。

フィクションとは思えないほど現実的な組織構造、人物設定、裁判の展開は、医療現場の裏側を真正面からえぐる内容になっています。

大阪大学などが背景にあると言われる理由

原作者・山崎豊子は、執筆の際に大阪大学医学部附属病院を中心に徹底した取材を重ねたことが知られています。

そのため、作中の舞台である「浪速大学医学部附属病院」は、大阪大学をモデルにしたとされる描写が多く見受けられます。

実在の病院をベースにすることで、登場人物たちの野心や権力争いにも現実味が加わり、視聴者に重い現実を突きつけるのです。

取材を重ねた“現実の写し鏡”としての描写

山崎豊子は「小説は事実を超えなければならない」という信念のもと、実名取材に近い形で多くの医師・病院関係者に話を聞いたとされています。

その結果、『白い巨塔』は単なるフィクションではなく、日本の医療界の縮図とも言えるほどのリアリティを帯びた作品に仕上がりました。

視聴者が「ひどい」と感じるのは、描かれている内容があまりにも現実に近く、「本当にこんなことがあるのでは」と感じさせてしまうほどだからです。

フィクションなのにノンフィクションのような重圧。それが『白い巨塔』の恐ろしさであり、魅力でもあるのです。

それでも『白い巨塔』が名作といわれるワケ

ここまで「ひどい」と言われる理由を見てきましたが、それでもなお『白い巨塔』は日本ドラマ史に残る名作として語り継がれています。

その理由は、視聴者に不快さを与えるだけでなく、深い人間ドラマと社会への鋭い問いを投げかけているからです。

「ひどい」からこそ心に刺さる人間ドラマ

財前五郎は単なる悪人ではありません。

彼には優れた腕と情熱、苦悩する人間的な側面があり、視聴者は複雑な感情を抱きます。

さらに、里見医師や東教授、妻・杏子、佐々木家の人々など、それぞれが正義と葛藤の中で揺れ動く姿は、物語に厚みをもたらします。

善悪では語りきれない人間の本質に触れるからこそ、多くの人の心に強く残るのです。

世代を超えて語り継がれる普遍的テーマ

『白い巨塔』が名作とされる最大の理由は、描かれているテーマが時代を超えて普遍的である点にあります。

権力争い、組織の腐敗、正義のあり方、命の重さ——どれも今なお社会の中に存在する問題です。

だからこそ、1978年、2003年、2019年と何度リメイクされても支持され続けているのです。

視聴中に「ひどい」と感じた人こそ、この作品が投げかける“問い”をしっかりと受け取っている証とも言えるでしょう。

まとめ:白い巨塔 ひどい描写が問いかけるもの

『白い巨塔』が「ひどい」と言われる理由は、視聴者の想像を超えるリアルな医療現場の闇と、倫理を踏み外した人間たちの姿にあります。

しかしその“ひどさ”こそが、この作品の価値を高めているのです。

権力と正義、命と保身という普遍的なテーマを描くことで、視聴者にただのエンタメでは終わらない深い余韻を残します。

どれほど非道な行動も、その背景にある人間の弱さや欲望を丁寧に描いているからこそ、共感と憤りが交錯します。

それはまさに、“巨塔”のように高くそびえる組織の中で、個人がどう生きるかという現代社会の縮図とも言えるでしょう。

「ひどい」と感じたその瞬間こそが、物語があなたに何かを訴えかけている証です。

だからこそ、『白い巨塔』は今も語り継がれる時代を超えた名作なのです。

この記事のまとめ

  • 財前五郎の医療過誤と隠蔽が「ひどい」と話題
  • 正義が通らない裁判の描写に強い不快感
  • 大阪大学など実在病院がモデルとされる
  • 徹底取材に基づいたリアルな描写が重すぎる