韓国時代劇『馬医』第39話では、世子の命を救うためクァンヒョンが限界を超える治療に挑みます。
従来の薬では止血できない状況下で、彼が選んだのはサアム直伝の特殊鍼法――その選択が世子の命運を左右するのです。
さらに、サアムに破門された過去を持つ謎の男・チェ・ヒョンウクが現れ、医療と権力を揺るがす新たな火種となります。
この記事を読むとわかること
- 世子の命を救うために挑んだ鍼治療の全貌
- サアムに破門された男・ヒョンウクの登場とその狙い
- 宮廷内で揺れ始めた医療と権力の均衡
Contents
馬医 39話あらすじ|鍼で止血に挑むクァンヒョンの覚悟
世子の命を懸けた緊迫の鍼治療
第39話では、世子の命が危機にさらされる緊迫した状況が描かれます。
腫気の除去手術は成功したものの、術後に止血ができず、命が刻一刻と失われていくという深刻な事態に。
薬剤では改善されず、周囲は動揺する中、クァンヒョンは一つの選択をします。
それは、師サアム道人がかつて開発した鍼治療法、「小腸正格」による止血法を用いるというものでした。
この高度な施術法は、かつてインジュですら習得できなかった難技であり、鍼の位置や深さを一つ誤るだけで命を落としかねない危険な術でもあります。
それでもクァンヒョンは「今ここで私がやらなければ、誰も救えない」と、恐れを乗り越え、鍼を打つ決断を下します。
世子の脈を感じ取りながら、一本一本丁寧に鍼を打ち進めていくクァンヒョンの姿には、命を預かる医者としての覚悟が滲み出ています。
そして、ついに止血に成功する瞬間、周囲の医師たちは言葉を失い、医術の限界を超えた瞬間を目の当たりにするのです。
インジュも習得できなかった技に挑戦
このシーンでは、「技術」だけでなく「心」が問われる場面として描かれています。
「あの鍼法はインジュさまでも無理だったのよ」と語るチニョンの言葉からも、どれほど高度な技術であるかが伝わってきます。
それにもかかわらずクァンヒョンが敢えて挑戦した理由は、己の誇りや功績のためではなく、ただ「救いたい」という一心でした。
この回では、医者としての知識や経験を超えた「魂の治療」が描かれており、命に真正面から向き合う者の覚悟に心を動かされます。
気を失う直前まで手を動かし、己の命すら削る覚悟で治療を続けたクァンヒョンの姿に、多くの視聴者が胸を打たれたのではないでしょうか。
その後、彼はついに気絶してしまい、物語はさらに新たな局面へと動き出します。
クァンヒョン、自らの腫気で治療実験
破傷風対策として塩湯を使った消毒法
手術により世子の命を救ったクァンヒョンでしたが、その代償として自身の腕に腫気を発症し、意識を失ってしまいます。
倒れたクァンヒョンの手術は、師匠インジュの元で研鑽を積んできたチニョンが執刀し、無事に腫気を取り除くことに成功します。
しかし、そこで終わらないのがクァンヒョンです。
高熱に苦しみながらも目覚めた彼は、自分の身体を使って“術後の感染症対策”の実験を開始します。
それは、凶作によって栄養不足に陥っている民が手術後に敗血症や破傷風にかかりやすくなっているという背景からでした。
そこで彼が編み出したのが、塩湯を用いた殺菌消毒法でした。
「高濃度の塩水を用いて患部を沐浴させることで、外科手術後の感染を防ぐ」という方法は、当時としては画期的であり、現代の消毒概念に通じる先進的な医療アプローチでもありました。
このように、医学書だけでなく自らの経験と身体を通じて医術を発展させていく姿は、まさにクァンヒョンという人物の本質を体現しています。
医師としての信念を体現する姿
「自分の身体で確かめなければ、他人には使えない」――その言葉通り、クァンヒョンは高熱と痛みに耐えながら、一人山中での実験に身を投じるのです。
誰よりも医師という職業に誇りを持ち、「人を救う」という使命を最優先に考える姿勢は、医術の技だけでなく、魂でも勝負する姿勢として描かれています。
この姿勢に、チニョンやテジュ、インジュといった仲間たちも心を動かされ、一つの医療チームとしての結束がさらに強まっていきます。
そしてこの塩湯による治療は、のちに世子にも応用され、破傷風の予防・抑制において大きな効果を発揮します。
第39話では、医療の進化とは何か、医師のあるべき姿とは何かという、深い問いを投げかける場面が多く描かれており、視聴者の心にも大きな余韻を残す内容となっています。
謎の男チェ・ヒョンウクの登場
サアムに破門された過去と復讐心
第39話の大きな転機となるのが、謎の男チェ・ヒョンウクの登場です。
彼はかつて、クァンヒョンの師匠であるサアム道人に弟子入りしていた人物で、医術の才能には恵まれていたものの、患者の命を顧みない冷酷な姿勢が災いし破門されています。
それ以降、彼はサアムと彼に代わって後継者となったクァンヒョンに対して深い恨みを抱き、復讐を胸に秘めて再び朝鮮へと戻ってきたのです。
ヒョンウクの医術への執念は常軌を逸しており、人体解剖や生体実験にさえ手を染める危険な存在です。
そんな彼が世子の命を狙って現れたのは偶然ではなく、クァンヒョンを精神的に追い詰めるためでもありました。
「クァンヒョンも“治腫指南”を前にして冷静でいられるかな?」というセリフは、医術を武器にした挑発であり、強い対抗心の表れです。
治腫指南を巡る因縁が再び動き出す
ヒョンウクが言及する「治腫指南(ちじょうしなん)」とは、外科医療における伝説的な医学書です。
かつてサアム道人が極秘に研究し、ヒョンウクが手に入れようとして破門されたとされるその書物は、医術の極みを体現する象徴でもあります。
この書物を軸に、ヒョンウクとクァンヒョン、そしてサアムの間にある医術と信念を巡る三角関係が新たに浮かび上がります。
ヒョンウクの登場によって、これまでの物語では明確であった「善対悪」の構図が揺らぎ始めます。
彼の存在は、「医術の進歩は命の犠牲と引き換えなのか?」という倫理的な問いを視聴者に突きつけてくるのです。
このようにして39話は、医療と人間性、復讐と正義のあいだで揺れ動く新たな物語の幕開けを予感させます。
クァンヒョンvsミョンファンの構図に変化
ヒョンウクと手を組むミョンファンの狙い
これまで幾度となく正義と悪の対立軸として描かれてきたクァンヒョンとミョンファンの関係。
しかし第39話では、この対立構図に新たな要素が加わります。
それが、ミョンファンとヒョンウクの結託という展開です。
クァンヒョンの医術に圧倒されながらも、それを正面から認めることができないミョンファン。
世子の治療を巡って窮地に立たされた彼は、「クァンヒョンを失脚させるためなら誰とでも手を組む」という覚悟をにじませ、危険な男ヒョンウクと接触します。
ヒョンウクは、「自分に治療を任せれば確実に成功させる」と言い、ミョンファンはその言葉にすがるように彼を大妃に推薦しようと画策するのです。
この結びつきは、単なる協力関係ではなく、医療倫理を大きく逸脱した“悪の連携”とも言えるでしょう。
つまり、ミョンファンは完全に権力維持のために医療を政治の道具として利用する側に回ったのです。
揺らぐ医療の倫理と政治的野望
ヒョンウクの医術は確かに優れているかもしれませんが、それは「人を救うため」ではなく「医術を誇示するため」のものであり、医師としての本質からは逸脱しています。
それを理解しながらも頼らざるを得ないミョンファンの姿は、彼の焦りと限界を象徴しています。
一方、クァンヒョンは患者の命を守るために自分の身体を使ってまで研究を重ね、新しい治療法を確立しようとする真の医師として描かれます。
この対比が強調されることで、視聴者は単なる善悪の構図以上に、「医療の本質とは何か?」という深いテーマに引き込まれていきます。
39話では、医師である以前に「どう生きるか」が問われており、それはまさにクァンヒョンとミョンファンの人生観のぶつかり合いと言えるでしょう。
子どもへの処方に迷うクァンヒョン
大人には効くが、子供には危険な薬
世子の手術は成功し、一時的には回復傾向を見せていたものの、時間の経過とともに敗血症の兆候が現れます。
これは、体内の感染が進行し、命に関わる症状であることを意味していました。
クァンヒョンは、自身の腫気治療のために試していた薬草の配合を思い出し、これを応用しようとします。
しかしそこには一つの大きな壁が立ちはだかります。
それは、その薬が大人には有効でも、幼い世子の体には毒となる可能性があるということです。
医師として、そして人として、命を救いたいという想いと、処方のリスクとの狭間で、クァンヒョンは深い葛藤に苦しむのです。
「大人であれば迷わず使う。しかし、子どもにこれは……」とためらう彼の姿には、医療の決断に伴う責任の重さが刻まれています。
“灰”に着目するひらめきとは?
悩み続けるクァンヒョンの目に、ふと映ったのが「灰」でした。
民間療法において、灰には毒素の吸収や浄化作用があるとされており、そこから彼の頭に新たな発想がひらめきます。
「薬剤の毒性を中和する何かが必要だ」と気づいたクァンヒョンは、灰や塩湯など自然の素材を活用する治療法を模索し始めるのです。
これは、既存の知識に縛られず、現場の発見を重視するという彼の柔軟さと探究心を象徴するシーンです。
こうしたひらめきは、命を扱う現場において最も必要な“勘”であり、クァンヒョンが真の意味で一流の医師である証でもあります。
39話は、こうした細やかな描写によって、知識と実践、勇気と慎重さの間に揺れる医師の心理を繊細に描き出しています。
そして、その先に待つのは――新たな脅威、ヒョンウクの動きです。
ヒョンウクが大妃に接近、宮中に潜入開始
自らの治療技術を売り込む策略
敗血症の進行により、世子の容態が再び悪化し始めた頃、陰で蠢いていた人物がついに動き出します。
それが、謎の医師チェ・ヒョンウクです。
彼は、クァンヒョンが行っている治療は中途半端であり、自分であれば必ず完治させられると豪語します。
この言葉に飛びついたのがイ・ミョンファンでした。
ミョンファンは、大妃や王妃に対してヒョンウクを推薦し、「今すぐ彼を医官として迎えるべきだ」と強く働きかけを行います。
そしてついに、ヒョンウクは宮中への入宮を果たすのです。
彼の狙いは単なる治療ではなく、宮廷に自らの地位を築くことにあります。
「サアムにも、クァンヒョンにもできないことを自分が成し遂げる」――その歪んだ野心が、治療という名の策略に姿を変えて宮中に侵入した瞬間でした。
王宮内の勢力図が大きく揺れ始める
ヒョンウクの入宮は、王宮内の権力バランスに大きな波紋を呼びます。
顕宗はクァンヒョンへの信頼を揺るがせてはいませんが、大妃や保守派の側近たちは「実績のない若者より経験豊富な医者を」とヒョンウクを支持し始めます。
こうして、クァンヒョンを支持する勢力と、ヒョンウク・ミョンファン連合との間に、新たな対立の構図が生まれ始めるのです。
しかもヒョンウクは、表面上は冷静な医者を装いながらも、その裏ではミョンファンと共謀し、クァンヒョンを失脚させる計略を着々と進めています。
「今に彼の治療は行き詰まる。その時こそが我々の出番だ」――このセリフからも、彼が治療ではなく“政治の勝者”になることを狙っていることが明らかになります。
第39話では、医療の現場に潜む権力闘争と、その裏で進む野望の連鎖が描かれ、視聴者の緊張感を一層高める展開が待っています。
次回、クァンヒョンとヒョンウクの初の正面衝突が起こるのか――目が離せない状況です。
馬医 39話 あらすじの結末と次回の展開予想まとめ
世子の治療は成功するのか
第39話のラストでは、世子の容態が再び悪化し、物語は最大の緊張状態を迎えます。
クァンヒョンは必死に対処法を模索しますが、子どもにとっては毒にもなりうる薬に対して投薬をためらい、葛藤を抱えたまま時間だけが過ぎていきます。
その背後では、ミョンファンと手を結んだヒョンウクが、大妃を通じて治療の主導権を奪おうと動いており、医療の名を借りた政治的圧力が強まり始めています。
一方で、チニョンはそんなクァンヒョンの苦悩をそばで見守りながら、自分にできることを探し続けている様子が描かれ、二人の信頼関係にも注目が集まります。
果たして、クァンヒョンは再び奇跡を起こすことができるのか。
そして、彼の治療法が世子を救う鍵となるのか――次回に持ち越された結末が、視聴者の期待を大きく高める形となりました。
ヒョンウクとの全面対決に注目
次回以降、最も注目されるのがクァンヒョンとヒョンウクの本格的な対立です。
サアム道人を中心とした因縁の構図は、弟子同士の闘いへと移り、医術の信念と倫理を賭けた戦いが始まろうとしています。
ヒョンウクは強大な知識と技術を持ちますが、そこには人の命を尊ぶ精神が欠けているという点が最大の弱点です。
一方のクァンヒョンは、一つ一つの命に寄り添い、手術後の回復にまで責任を持つ医者として描かれ、明確な対比がなされます。
この対決は単なる技術勝負ではなく、「真の医者とは誰か?」というテーマに対する答えそのものになるでしょう。
39話は、医療、信念、倫理、権力といったさまざまな要素が複雑に絡み合いながら、次の章への序章として極めて重要な回となっています。
クァンヒョンが再び医術で証明するのか、それともヒョンウクの影が支配を強めるのか――
視聴者の期待が高まる中、次回40話に大きな注目が集まっています。
この記事のまとめ
- クァンヒョンが鍼で世子の止血に挑戦
- 自らの腫気を使って破傷風治療を実証
- ヒョンウク登場で新たな敵が浮上
- ミョンファンとヒョンウクが結託
- 薬の処方に苦悩するクァンヒョンの姿
- ヒョンウクが宮中に入り込む策略
- 次回、医療と信念の対決が本格化