【王は愛する】 実話の真相を解説！史実モデルとドラマの違いを徹底比較

韓国ドラマ『王は愛する（The King in Love）』は、愛と権力に揺れる三角関係を描いた歴史ロマンスとして高い人気を誇ります。

しかし多くの視聴者が気になるのが、「この物語は実話なのか？」「登場人物は本当に存在したのか？」という点です。

この記事では、史実上のモデルとなった王や背景、ドラマとの違いをわかりやすく解説し、『王は愛する』が描く“実話の真相”に迫ります。

王は愛するは実話？史実との関係を結論から解説

結論から言うと、ドラマ『王は愛する』は史実をもとにしたフィクション作品です。

物語の舞台となる高麗時代や登場人物の一部には、確かに実在した王族や政治的背景があります。

しかし、ドラマに描かれる恋愛や三角関係の要素は、脚本上で創作された部分が多く、完全な“実話”ではありません。

主人公のワン・ウォンは、史実に登場する高麗王朝の忠烈王の息子をモデルにしています。

実在の王子は「忠宣王（チュンソンワン）」として知られ、彼の人生には元との政治的関係や権力闘争といった史実の要素がありました。

ドラマはこの史実をベースに、愛・友情・裏切りといった人間ドラマを加え、史実を“感情の物語”として再構築しています。

つまり、『王は愛する』は「史実から生まれた物語」でありながら、歴史そのものを再現する作品ではないという点が重要です。

史実の背景を軸にしながらも、登場人物の感情や関係性を大胆に描くことで、よりドラマチックな展開を実現しています。

このバランスこそが、本作が“実話のように感じられるフィクション”と呼ばれる理由なのです。

ワン・ウォンの史実：高麗王朝と元の時代背景

『王は愛する』のモデルとなった王子・ワン・ウォンは、高麗王朝後期の実在の人物です。

彼は忠烈王（チュルリョルワン）の息子として生まれ、後に忠宣王（チュンソンワン）として即位しました。

彼が生きた時代、高麗はすでに元（モンゴル帝国）による強い支配を受けており、政治的にも文化的にも大きな圧力下にありました。

この時代の王族は、国を治める権力者でありながら、元の干渉によって思うように動けないという苦しい立場に置かれていました。

ワン・ウォン（忠宣王）もまた、元の皇室に嫁いだ母の影響で複雑な立場にあり、“王でありながら自由を持たない王子”として知られていました。

この背景が、ドラマにおける孤独で繊細な主人公像に反映されているのです。

また、史実上のワン・ウォンは元に留学し、文学や芸術にも優れていたと伝えられています。

その知的な側面が、ドラマの中で見られる理知的で感情を抑えた性格として描かれています。

史実の彼は政治的闘争に巻き込まれ、最終的には王位を追われるという波乱の人生を歩みました。

このように、ドラマ『王は愛する』は史実の王子の人生を土台にしながらも、“愛と友情のドラマ”として再構築しています。

政治と愛が交錯する彼の姿は、当時の時代背景を反映しつつも、現代の視聴者が共感できる人間像として描かれているのです。

史実とドラマの違い：恋愛・人物関係の脚色

ドラマ『王は愛する』は史実を下敷きにしていますが、恋愛や友情の要素は大部分がフィクションです。

史実の忠宣王（ワン・ウォン）に恋愛をめぐる三角関係があったという記録は存在せず、ウン・サンという女性も架空の人物です。

つまり、ドラマの恋愛要素は脚本家によって創作されたもので、史実の政治的緊張を感情的な物語に転化した形といえます。

史実の忠宣王は、元の皇室との政治的関係や権力争いに翻弄された人物でした。

一方、ドラマではその「権力と自由の狭間で苦しむ姿」が、愛する人を守れない王子として“愛に生きる青年”へと描き変えられています。

この脚色によって、政治史を知らない視聴者でも共感しやすいロマンスとして成立しているのです。

また、親友ワン・リンとの関係もフィクション的な要素が強い部分です。

史実では忠宣王にそのような近しい護衛や親友の記録はなく、友情と恋愛が交錯する三角関係は物語上の演出です。

ただし、この設定は「権力と愛、忠誠と裏切り」という普遍的テーマを際立たせる重要な役割を果たしています。

結果として、ドラマ『王は愛する』は、史実の硬い政治劇を、人間の感情を軸にした愛の物語へと昇華させた作品といえるでしょう。

史実とは異なる部分が多いものの、その中にこそ「王もまた一人の人間である」という普遍的な真実が込められています。

実在した登場人物たちのモデル

『王は愛する』の登場人物の中には、史実上の人物をモデルにしたキャラクターが複数存在します。

ただし、その多くは史実を忠実に再現したわけではなく、実在の人物の要素を組み合わせた創作になっています。

ここでは主要キャラクターと、その史実上のモデルを簡潔に整理します。

• ワン・ウォン … 史実の忠宣王（チュンソンワン）がモデル。元に人質として送られた経験を持つ王で、知性と孤独を併せ持つ人物。
• ワン・リン … 史実上に直接のモデルは存在しないが、忠宣王に仕えた側近や護衛の人物像をもとにした架空の融合キャラクターとされる。
• ウン・サン … 完全なフィクションで、貴族階級出身の女性という設定のみ史実に基づく社会的背景を反映している。

ドラマで描かれる三角関係はこの3人を中心に展開しますが、史実にはそのような記録は残っていません。

しかし、忠宣王は実際に元の皇室の女性と婚姻関係にあり、そこには政治と愛の板挟みという現実的なテーマが存在していました。

その史実の構図を基に、脚本では「愛ゆえの苦悩」を象徴的に描いているのです。

また、登場人物の性格や立場には、当時の社会構造や身分制度が強く反映されています。

高麗時代は元との関係により、王族であっても政治的自由が制限される時代でした。

この背景が、ドラマにおけるワン・ウォンやワン・リンの葛藤をより深くリアルにしているのです。

ドラマに描かれる“愛と権力”の象徴性

『王は愛する』は単なる恋愛ドラマではなく、“愛と権力”の対立を描いた象徴的な物語です。

史実を背景に、王としての責務と一人の人間としての感情の間で揺れるワン・ウォンの姿を通し、「愛することの孤独」というテーマが浮き彫りになります。

彼の苦悩は、王であるがゆえに「誰かを本気で愛してはいけない」という宿命から生まれたものです。

ドラマでは、この権力の象徴として“王冠”が幾度も登場します。

それはワン・ウォンの支配力を示すと同時に、自由を奪う鎖として描かれています。

彼にとって王冠とは誇りでありながら、最も重い孤独の象徴でもあるのです。

一方で、ウン・サンは愛の象徴として登場します。

彼女は政治や身分を超えてワン・ウォンと向き合い、人としての心を取り戻させる存在です。

彼女の存在によって、ワン・ウォンは「王」としてではなく「一人の男」としての感情を思い出します。

この対比構造――王冠と愛、権力と心――がドラマの根底に流れるメッセージです。

それは単なる恋愛劇ではなく、“権力の中で人間性を保つことの難しさ”を描いた心理的ドラマともいえるでしょう。

このテーマがあるからこそ、『王は愛する』は史実を越えた深みを持つ作品となっているのです。

『王は愛する』が史実から受けたインスピレーション

ドラマ『王は愛する』は、史実そのものを再現しているわけではありませんが、高麗王朝の実際の歴史から多くのインスピレーションを受けています。

特に、元（モンゴル帝国）との政治関係や王族の苦悩など、当時の社会的背景が物語の重要な軸となっています。

史実に基づいた「権力の不均衡」と「国の独立への葛藤」は、ドラマの緊張感を支える柱です。

実際の忠宣王（ワン・ウォン）は、元の宮廷に滞在し、元の皇女と婚姻関係を結んでいました。

この史実が、ドラマで描かれる「愛と政治が交差する運命的関係」のもとになっています。

つまり、『王は愛する』のラブストーリーは、“史実の悲劇をロマンスとして再構築”した物語なのです。

また、ドラマ全体に流れる「孤独な王」「愛を奪われる運命」というテーマも、史実上の忠宣王の人生に通じています。

彼は王位を継ぎながらも、元の干渉によって実権を失い、祖国と個人の間で苦悩しました。

その姿は、ドラマの中でワン・ウォンが抱える愛と義務の狭間の葛藤として巧みに表現されています。

こうした史実からの影響によって、『王は愛する』は単なる恋愛ドラマを超え、“歴史の中で人間を描くドラマ”へと昇華しています。

視聴者が「本当にあった話かもしれない」と感じるのは、この現実味のある史実要素が物語に深みを与えているからなのです。

王は愛する 実話の核心を総まとめ

『王は愛する』は、史実をもとに作られたフィクションと現実の境界にある物語です。

実在した王子・忠宣王（ワン・ウォン）をモデルとしながらも、恋愛や友情の部分は脚色された創作であり、実話ではありません。

しかし、登場人物が抱く苦悩や孤独、愛への渇望は、史実の王たちが背負った現実と深く共鳴しています。

つまり、『王は愛する』が伝える“実話”とは、出来事そのものではなく、人間の心の真実なのです。

権力に縛られながらも自由を求め、愛を知ることで人間性を取り戻そうとするワン・ウォンの姿は、現代にも通じるテーマを持っています。

それこそが、この作品が時代を超えて人々の心に響く理由でしょう。

また、史実を土台にしたことで、物語に歴史の重みとリアリティが加わっています。

視聴者はただのロマンスとしてではなく、「もし本当にこんな王がいたら」と想像しながら楽しめるのです。

この“実話のようなリアリティ”が、作品を特別な存在へと押し上げています。

最終的に、『王は愛する』は史実の悲劇を通して愛の尊さと人間の弱さを描いた物語です。

史実とフィクションの狭間にあるこの作品は、「歴史に心を吹き込むドラマ」として、長く語り継がれていくことでしょう。